遺伝子組み換え
2008年 08月 09日
食の世界は恐ろしいことになってますね。
アメリカで作られた映画だったので、舞台はアメリカですが、どこから話していいのか分からないくらい、種子や農薬会社が「金の亡者」となって巨大化し、アメリカ政府と食の世界を支配しています。
映画では、モンサントという種子会社のあくどい手法が、話されていました。
その会社。自社で作った遺伝子組み換え種子に特許を取得しているんですが、その会社の作物の種が、たまたまトラックで運搬中にこぼれたり、鳥が運んだりして、自然に遺伝子組み換え作物が育ってしまった、その会社の種を使ってない農場の持ち主をことごとく、訴えているんです。特許侵害だって。
残念なことに、花粉や鳥や、そして輸送トラックを通じて、種は自由に移動するので、いまでは遺伝子組み換え作物に汚染されてない農場を見つけるほうが難しいと言われている始末。
代々、自分の農場の作物からとれた種を使って作り続けてきた安全な農場が、遺伝子組み換え作物なんて作りたくないのに、汚染されてしまう驚異。そんな農作物の汚染を受けたその被害者でもある農家の人に、モンサント社は厚顔にもこんな手紙(というより恐喝ですわ)を送りつけていたのです。
農場に育った作物のうち、どの作物が遺伝子組み換えで、どの作物がその農場での自生作物かなんて、一見しただけでは全く分からないから防ぎようがない(ということは、モンサントが自社でやった調査もホントかどうか信憑性は乏しいってことになりますが)。
長い時間をかけて自分の農場で安全な作物を作っていたのに、いつのまにか、汚染農場となってしまい、さらにその種子会社から特許侵害を訴えられるとは、なんたること・・・・!
残念なことに、ほとんどの農民が、この恐喝に屈してお金を払ってしまっていました。一方的ではあっても、訴訟にすると、もっともっとお金もかかるし時間も取られるので。
でも、ある農民の方が、勇敢にも裁判所に提訴していました。
結果は、一般常識的には、農家の方の圧勝に見えるのに、なぜか敗訴(なんでや~!)
いわく
・鳥であろうと、風であろうと、花粉や種が運ばれてきた方法が問題なのではなく、そこに生えていることがすでに特許侵害である。
・特許が、農民の権利より力を持つので、モンサント社の作物と交配して、自分の作物が汚染されてしまったとしても、その作物はモンサント社の所有になる。
これはいったいどういうこっちゃ。
ほかにも
食品や環境の安全を守るハズの政府機関の役人が、実はその種子会社のもと副社長だったり・・・・。有名なところでは、ラムズフェルト国防長官も、その種子会社の子会社の社長さんですね。
日本に関係する食べ物として、大豆が有名ですが、遺伝子組み換え大豆を食べたメスラットの子どもの死亡率が51.6%だったとか、遺伝子組み換えジャガイモを食べたラットは免疫機能に低下があったとかという実験もあるそうです。
納豆は健康食として気軽に食べられていますが、カルシウムが豊富だとか、糸を引かないとか、そういった機能が付加された納豆は、おそらく遺伝子組み換え大豆が使われてます。普通の納豆でも100%ではなくても、かなりの%で遺伝子組み換えは使われていると言われています(有機認定と表示があっても当てにならない)。
子どもたちがよく食べているコーンチップやコーンが原材料のお菓子は、100%遺伝子組み換えだと思います。
もうこうなったら、これからは、信頼のおけるお店や信頼のおける食品会社を自分で見つけて自己防衛するしかなさそうです。まずは、CMをバンバン流しているような大企業の食品、コンビニで売られているような食品は、事前に原材料の安全性を調べたほうがいいかも。
それから「食の未来」の映画は、自主上映できるそうなので、近所のお母さん方と一緒にこの映画を見てみてはいかがでしょう。
さて、
映画のあとは、工業製品と化してしまった食品とは180度正反対。
自然栽培で、農薬も肥料も使わない、あの「木村さんのリンゴジュース」を併設のレストランで飲むことができました(その前に参加した講演会でチケットが配布されていた)。
あの(何度も書く!)、うわさの木村さんのリンゴジュースです!
生のリンゴはまだ食べたことがないんですが、このジュース、メチャ美味しかったです!!!コップ1杯800円しましたが、800円出して飲む価値は十分ありました。甘くて濃くて・・・。
木村さんのリンゴは、NHKで紹介されてからというもの、発売開始から10分で完売になるそうですね。木村さんのことは、そのずいぶん前から知っていたのに、1度も購入に至らなかったことをつくづく後悔。あまりのおいしさに、有名になる前にこれでリンゴダイエットしておけばよかった~。
ちなみに、木村さんが出演されたNHKの番組はいまDVDで入手できるんですが、このDVDについている特典映像が秀逸です!番組ではカットされた木村さんのインタビューなんですが、私はこのインタビューに泣きました! 飄々としたインタビューなんですが、内容は凄みさえ感じられます。
「利益追求」だけしか考えてない大企業に支配されてしまった大手の食品と、愛情と真心で育てられた木村さんのリンゴ。
究極的には、自分たち一人一人が木村さんになって、家族の食べ物は、自分でつくっていく時代なのかも。