禅寺の修行・・・・
2007年 11月 12日
永平寺で1年間修行をしたという男性の体験記も読み始めています。
禅寺のキーンとした静けさや緊張感。そして仏教徒に対して持っていた穏やかでやさしいイメージを、根底からうち破られてしまいました。
この本に出てくる修行は、なにかあるごとに、殴られ蹴られ罵倒される修行僧の生活。
荷物の片づけ方、食事の仕方、トイレの行き方、眠り方。生活の全てに独特の名前があり(普段見ない漢字ばかりで、まず私は漢字が読めない!)決まったやり方があり、唱えるお経がある。
その全てをキチンとやり遂げないと、先輩雲水から有無を言わさず殴られる。
社会でどんな仕事をしていたとしても、地位があったとしても、お寺に一歩入れば、そんなものは無に返してしまう。
昔、永平寺の雲水だった徳江さんに、「殴られたり蹴られたり、あまりのことにビックリしました」って感想をもらしたら「2~3回殴られても覚えられないことも、10回殴られれば覚えられる」「比叡山の修行に比べたら、永平寺の修行なんてやさしいものです」と一言。
確かに、永平寺は、団体行動ですから、殴られながらも手取足取り、指導してくれる先輩や、愚痴を言い合う同僚がおり、朝にはちゃんと起こしてくれ、何をすべきか、朝から夜まできちんとした指針がある。
でも先日お会いした酒井阿闍梨の比叡山での修行は、一人暗い真夜中に起き、誰も見てないなかで、お経を唱えながら真夜中の山道を歩き廻り、褒められもせず、腐られもせず、たった一人、孤独の中で、修行をしていく。その精神力たるや、団体行動の禅の修行に比べたら遙かに厳しいかもしれない。
永平寺の修行も、まずは、社会の中で育っていた自尊心やプライドを、最初にことごとくうち砕くことで、精神をリセット。ゼロにしてから、修行が始まるんだと思いつつ、私だったら、きっと1日で逃げ出してしまいそうです。
修行日記、ぜひ読んでみてください。


先日撮した記念写真が送られてきたので・・・。酒井阿闍梨のお肌のキレイなこと!