ミザリー
2007年 10月 05日
一時も目が離せない、緊張感のある素晴らしい舞台だったので、お時間のある方は是非!
主演は小日向文世さんと、渡辺えりさん(渡辺えり子改め)。
スタッフが長年の小日向文世さんの友人(ご主人が、小日向さんと小学校から専門学校までずっといっしょの学校)で、そのご縁で、舞台正面のとってもいい席を取ってもらっていたのでした。(同じ列に、女優の伊藤美咲さんがいらっしゃいました。顔が小さくスラリと背が高い。女性としては、ホンにうらやましい!)
スタッフは、コメディタッチで笑えるよ、なんて言ってましたが、いえいえ、私には心理的に十分怖い舞台でした。
舞台後、小日向さんの楽屋で待たせていただいてる時、演出した松本祐子さんもいらして「そんなに怖くなかったでしょ?」って聞かれました。「いえ、私には十分怖かったです~」とお伝えしたら、「なんでかなあ」なんて演出家ご本人に不思議がられてしまいましたが、スティーブン・キングって、人間の深層にある恐怖心を揺さぶるんですよね。しかも見えないものが見える恐怖心とかではなく、ひょっとしたら、自分の身にも起こるかもしれないという恐怖。
本も映画も読んでストーリーを知っているので、その恐怖心が戻ってきたっていうこともありますが、思うに、私はミザリーのような女性を、実際に、複数、知っているからじゃないかなぁ、なんて、家に帰ってから自分の恐怖感を分析しました。
ミザリーのような常識が通じず、恐怖心で人をコントロールしようとする女性。暴力まで発展するか否かにかかわらず、怖いですよ~。自分の精神と人生をグチャグチャにかき回されます。詳しくは書けませんが、ニューエイジ系の人に、実は多いように私は思います。。。。
昨日は、昼公演もあって、渡辺さんも小日向さんも「疲れた~!」って叫んでいらっしゃいました。特に渡辺さんはセリフも多いし、喉が痛くて今日、病院に行って注射を打ってもらうそうです。
私は映画を見に行くより、舞台を見にいくほうが多いんですが、舞台俳優さんていうのは、つくづく、不思議な職業だなあって思います。毎日、毎日、自分とは違う別の人物を舞台という狭い空間の中で演じ続けるわけですから。しかも、動きとセリフは、毎日同じ。
朝起きて、自分の生活があって、舞台に行ったら別の人物になって、舞台がはねたら自分の生活空間に戻って、を長い時には3ヶ月も半年も繰り返す・・・・。
私は自分で体験したことがないので、なんだか、とっても不思議です。
千年とか一万年というタームで見れば、私たちも、違った時代の違った人物を演じていることにはなりますが、私たちの場合には、その人生の演出家は自分ですしね。
さて、舞台後は、小日向さん、スタッフ夫妻と、もう一人のスタッフと5人で、新宿の居酒屋さんに。
小日向さんは、長年の友人といっしょですから、すっかりくつろいで四方山話に花が咲きました。1つ、小日向さんにご自身が出演した映画でオススメは?って聞いたところ「非・バランス」(2001年)と「火星のカノン」(2002年)がお勧めだそうです。
残念ながら、両方とも見たことが無いので、早速、チェックしなければ・・・・。
舞台直後の一コマ。渡辺さんは、まだ舞台化粧のまま。
小日向さんのツルツルお肌は羨ましい・・・・
隣はスタッフの水津さん。テンプル通信を担当してます。
渡辺さんは、名前を「えり子」から「えり」に改名しました。改名は美輪明宏さんのアドバイスだそう。下記は「えり」改名後、初めてのサイン!(やった!サイン第1号だ!)