化学繊維のティーパックでお茶を入れると、そこはマイクロプラスチックの海に
2026年 04月 01日
【質問】紙コップ+ナイロン or ポリエステルのティーパックの組み合わせでお茶を飲むと、1杯のお茶の中に、マイクロプラスチックはどれくらい滲出してくるか?
1. 内訳:どこからどれくらい出るのか?
最新の研究データを基に、それぞれの混入源を数値化すると以下のようになります。
① ポリエステル/ナイロン製ティーバッグ(主因)
カナダのマギル大学の研究によれば、95℃の熱湯で抽出した場合:
・マイクロプラスチック(1μm以上): 約 116億個
・ナノプラスチック(1μm未満): 約 31億個
これだけで、すでに天文学的な数字です。
② プラスチックコーティングされた紙コップ
紙コップの内側には、防水のためにポリエチレン(PE)がラミネートされています。インド工科大学の研究などによれば、熱湯を注いで15分放置した場合:
・微細粒子: 1杯(約100〜200ml)あたり約 2万5,000個
・重金属: コーティングの劣化に伴い、微量の重金属も一緒に溶け出すことが確認されています。
2. なぜ「ティーバッグ」の方が圧倒的に多いのか?
「コップの表面」よりも「ティーバッグ」の方が桁違いに排出量が多いのには理由があります。
表面積の圧倒的な差: ティーバッグは細いプラスチック繊維を網目状に編み込んでいます。この無数の繊維一本一本の表面すべてが熱湯にさらされるため、フラットなコップの内壁よりも、お湯に触れる「プラスチックの面積」が数千倍から数万倍広くなります。
物理的な劣化: 熱湯の対流(お湯が動くこと)により、熱で不安定になったプラスチック繊維が物理的に千切れ、お湯の中に放出され続けます。
3. 「ナノプラスチック」のさらなるリスク
最近の研究では、目に見える「マイクロ」よりもさらに小さい「ナノプラスチック」の方が、細胞膜を通り抜けやすく、血流に乗って臓器や脳、胎盤にまで到達するリスクが指摘されています。ティーバッグから出る粒子の多くは、このナノサイズであると考えられています。【対策と現実的な向き合い方】
都心部でカフェなどを利用する際、この組み合わせを完全に避けるのは難しいかもしれませんが、以下の優先順位でリスクを下げることができます。
*マイボトル・マイカップを持参する: コップからの溶出(数万個単位)をゼロにできます。
*ティーバッグをすぐ取り出す: 抽出時間が長ければ長いほど放出量は増えます。
*「紙製」か「プラスチック製」かを見極める: * テカテカして透明感のあるメッシュ状(ピラミッド型に多い)はプラスチックです。
*不透明で「紙っぽい」質感のものの方が、粒子数は圧倒的に少なくなります。
もし可能であれば、茶葉(リーフ)で提供してくれるお店を選んだり、ご自身で茶葉を持ち歩いたりすることが、最も確実な防衛策となります。












