昨夜、ルーマニアからブルガリアに入りました。
ルーマニア、「行きたい国リスト」の中に、全く意識に上らない国でしたが、訪れてみれば、美しく、穏やかでファッショナブルな国でした。
なかなかblogを書く時間がとれずにいますが、まずは、この場所をあげておきます。
1984年、チャウシェスク元大統領の命により建設が始まった「国民の館」。全てルーマニア産の大理石や木材、マテリアルで作られており、当時は、世界第2位の大きさを誇っていたそう。部屋数3000。
公募された2000の設計デザインの中で選ばれたのは、27歳の女性のものでした。大御所の設計ではなく、まだ新人だった人、しかも女性の設計を選んだ、という姿勢は日本のお役所の皆さんにも見習って欲しい。
建物にあがって、すぐに目を奪われたのはこの緑の絨毯。継ぎ目のない一枚の絨毯で長さは100メートルあります。
1番大きなシャンデリアは5トン。他のシャンデリアも3トン・・・。部屋も大きいですが、シャンデリアも大きい。1つ電球が切れても変えるのが大変そう。あまりに部屋数が多いので、今は使っていない部屋、灯していない電灯もあるようです。
全体がピンクの色調の部屋。何故ピンクか・・・?
全ての国の国旗にピンク色が使われていないから、だそうです。
そんな絢爛豪華な館を作っている間、国民は貧困に喘ぎ、売血で生活していた人も。実際、ガイドをして下さったエレナさんのお母さんも売血をされていたことがあるそうです。
身体障害のある子どもや孤児は税金がかかるからと殺されたり、栄養不良の子どもに売血の血を輸血したらエイズが大量発生したりと、それはもうメチャクチャな悪政ぶり。この建物の階段の手すりも、背の低かったシャウシェスク大統領の背丈にあわせて作られており、「国民の館」と言いながら、実は大統領夫妻のやりたい放題だったわけですね。
これほどの大がかりな建物も、7割建設できたところでクーデター発生。チャウシェスク大統領夫妻は裁判にかけられ、即日、処刑。結局、彼らは一度も使うことはなかったそう。
このタイルの模様は「国民の館」全体像。横幅と同じくらい、奥行きもあったんですね。
そんな荒廃した国だったルーマニアも35年後には、美しい国に生まれ変わっているのは希望です。