私のアヤワスカ体験記ーその6
2024年 02月 25日
《嘔吐》
メディスンの作用でもっとも起こりやすいのが嘔吐です。嘔吐するために飲んでいるとも言えます。ただアヤワスカで引き起こされた嘔吐は、胃がムカムカしたり食中毒を起こして吐く、というレベルのものではなく、もっと身体の奥深くからの嘔吐が起こった体感がありました。
あとでコーディネイターさんに聞くと、日頃、特に食事の内容を意識せず、ある意味フツーの食生活、私からするとジャンキーな食生活(揚げ物や肉、甘い物が多いなど)をしている人は、吐く量が多くなりがちなのだそう。最初、身体は、日頃の食生活で溜め込んだ毒素をまず排出したいわけですから、そうなりますよねー。
私の場合には、日頃、けっこう節制した食生活を送っているからか、そんなに吐く量が多い、という感じではなかったです。
でも嘔吐の出処が深い。そして、これがなんとも辛い。
《身体の深部からの嘔吐》
身体に嘔吐の欲求を感じ、バケツを抱え、身体の奥底からの痙攣のようなセンセーションが起きるのを待ちます。そのセンセーションにあわせ、絞り出すように身体全体に力を入れ、ようやく身体の奥底から吐瀉物が流れでていきました。しかし、毎回うまくいくとは限らず、渾身の力を振り絞って吐こうとするのに吐けないことも多い。
吐くのは本当に体力が必要でした。痺れた身体で気分は最悪。そのうち意識はもうろうとしてくるし、身体は疲れ果てるしで、何度、バケツを抱えたまま動けなくなったり、横になったことか。
そして、最初は、多少なりとも身体の中心から吐いていたものが、だんだんと下腹あたりからあがってくる嘔吐に変わっていきました。この下腹部からの嘔吐はさらに吐けない。何度も痙攣のようなセンセーションが身体に起こりながらも、それを絞り出す体力と、グッと下腹部に入れる力がないと、下腹あたりにあるエネルギーが口まであがってこないのですー。
解剖学的な消化管の構造を考えると、その吐瀉物がいったいどこから上がってくるのか、実際のところ全く分かりません-。体感覚からすると、位置的には丹田と恥骨の間くらいからあがってくるように感じました。もはや消化物の嘔吐ではなく、ずっと身体に溜め込んでいたエネルギー的な嘔吐なのかも。
そして、そこまで身体の深部からの嘔吐になると、動物的、獣的な声が一緒に出ました。そして、この動物的な声無しには吐けないのです。そして、この音は普段の生活では絶対に出てこない類いの音です。私の体にこんな音が隠れていたんだーと吐きながら自分でもビックリしていました(笑)。
・身体の中で起きる痙攣のようなセンセーション
・吐き出すための全身の力
・下腹部にグッと入れる力
吐きたいのに吐けない、絞り出したいのに何も出ない、というのが一番しんどかったかも。
《死の淵を歩く》
これは私だけではなく、他の参加者もそうだったと思いますが、アヤワスカの反応が強く出ているときは、酸素をより多く身体が必要とするのか、肩を大きく上げ下げしての呼吸になりました。そして、一呼吸のたびに、ハァとかウーンというため息のような声が出ていきます。
以前に書いたように、アヤワスカが効いている間は、身体を動かすことが辛い。嘔吐のセンセーションが起きなければ、ただただ横たわって、呼吸をしているだけで精一杯でした。自分の呼吸の音だけが口から漏れていきます。セレモニー中、ずっとイカロは歌われており、その合間に、他の参加者さんから聞こえる同じような呼吸音と、自分が出すハァハァという声だけが耳に響いていきます。
アヤワスカの薬効が切れていくのも、この呼吸の音で実感します。自分の呼吸がハァハァという肩でする呼吸から、静かな普通の呼吸に変わり始めると、数時間前に飲んだアヤワスカが体内で分解され効果を失っていったのを知ります。
《物事は変化する》
身体的な苦痛を感じながらも、唯一の救いは、時間が経てばその苦痛も収まっていくことを知っていること。全ては移り変わる、時間とともに全てが変化していくことを身体で実感していました。実際、アヤワスカの成分が体内で分解されると、何ごともなかったかのように身体は鎮まっていきます。
《セレモニー終了》
参加者全員の身体が落ち着いていくと、2人のシャーマンが歌うイカロも終わり、イカロの歌、誰かが嘔吐する音、鳴き声、うめき声、呼吸の音で溢れていた室内に突如、静寂が訪れます。少し前まで、参加者1人ひとりがそれぞれの戦いをしていた会場が、今度は一気に静かな夜に変わります、
全ての参加者も安らかな眠りにつき、シャーマンのお2人もコーディネイターさんも眠りにつき、同じ部屋で全員が朝を迎えます。
朝が来ても、まだふらふらするし、体力も落ちていますが、昨夜の苦痛の形跡は身体に何もありませんー。苦痛しかなかった時間があとかたもなく身体の記憶から消えていきます(頭の記憶には残っています)。
嵐が過ぎ去った翌朝のような体と言えばいいでしょうか?












