今年の2月に支援させていただいた猛禽類医学研究所のクラウドファンディング。私が選択していた『齊藤先生の講演会開催』、ようやく昨日、実施することができました。
私が一方的に齊藤先生のファンで(笑)、ずっとインスタをフォローしていた、ということから開催した今回のオンラインセミナー。普段テンプルが開催しているテーマとは少し毛色が違うので、どれだけテンプルのお客様に興味を持っていただけるだろうかと思っていましたが、後日配信を含め、今現在、228名のお申込が入っています。
たくさんの方にお申込いただき、ありがとうございます! 子供たちも含め、家族でご覧いただき、家族で話題にしていただければ主催者としてはこの上なく嬉しいですー。
なお、パワーポイントで紹介している画像やデータを無断で二次使用される方が過去にいたそうで、参加費は無料ながら、一般公開ではなく、配信と視聴は事前申込制。後日配信も1週間だけ、ということで開催しています。
この30年間、日々、野生の猛禽類の救護活動を第一線で行い、単に、野生の鳥たちを治療するだけではなく、彼らが事故にあわない仕組みづくりを試行錯誤されてきた齊藤先生。
私はアフガニスタンで活動をされてきた
中村哲医師の姿にも重なりました。中村医師は、アフガニスタンで医療活動をするだけではなく、人々の生活と食料の不安をなくすべく、聴診器を重機に変え、自ら用水路建設のために重機に乗り、乾いたアフガニスタンの土地を緑溢れる場所に変えられました。
道路の構造や電柱、風力発電のブレード、鉛弾の使用禁止など、私たち一般人が野生の鳥や動物たちが事故に遭わないよう働きかけるにはハードルが高いこともありますが、まずは知ることが大切。
「そういうことがある」「こういう工夫をすると鳥たちが事故に遭いにくくなる」ことを政治や行政の担当者に伝えることで、社会が少しずつでも変わっていきます。
ハンターが使用する鉛弾も、北海道ではすでに禁止になっているそうですが、内地から来たハンターがまだ持ち込んで使ってしまう。鹿猟を鉛弾で行い、彼らが放置した鹿の肉を猛禽類が食べてしまい、結果、鉛中毒で命を落としてしまう・・・。
自分が使った鉛弾がその後どうなるのか・・・。全く知らないのか、想像力がないのか。いずれにせよ、お知り合いに猟をする人がいたら、猟仲間の方も含め、鉛弾を購入、使用しないようお話下さい。
2021年には、当時の小泉進次郎環境大臣が
段階的に鉛弾の使用を禁止し、2030年までには野生の鳥たちが鉛中毒で死なないようにする、という政策を発表しています。とても喜ばしいニュースではあるものの、なぜに2030年? なぜに9年間の年月が必要? 消費税はすぐに増税となるのに、全面禁止が9年後というのは、なんともなぁと思います。
猛禽類の鉛中毒が依然として発生している現状は、現存する鉛弾規制の遵守が不徹底であり、問題の根本的な解決には至っていないことを証明しています。現存の規制が鉛弾の使用の禁止にとどまり、販売や購入については制限がなされていないこと、また、現行犯以外での取締りが極めて困難であることなどが、この問題を長引かせる大きな要因になっています。私たちは、本州以南のハンターに対して、北海道の大型獣の狩猟(シカ、クマ)で実績のある銅弾への変換を訴えています。しかし、銅弾など無毒弾の普及が思うように進んでいない背景には、銅弾の価格が鉛弾と比較して高価であることや、北海道以外での入手が困難な場合があること、ハンターの鉛中毒に関する知識や意識が不十分であることなどが考えられます。
鉛中毒問題の解決に向けて
2013年10月、アメリカのカリフォルニア州で狩猟時に鉛弾の使用を禁止する法案が可決されました。鉛中毒の防止を目的とした鉛弾規制は、今や世界的な流れになりつつあります。鉛中毒問題の解決には、狩猟用鉛弾の全国的な規制と銅弾など無毒弾の理解および普及を広げる取り組みが必要です。
夜22時すぎまで、2時間以上のオンラインセミナーになりました。
ご参加下さった皆さんも、お疲れのところ、熱心に聞いてくださり、最後の質問コーナーでも齊藤先生たちの支援をするにはどうすれば? 自分たちには何ができる?といった質問もありました。
テンプルでセッションやワークショップをコーディネイトしている
ルーシャ・ジェイコブさんは、動物も人間も実は見えない世界で繋がっている。たとえ互いが全く会えないほど遠くの国に住んでいても、動物同士、動物と人間たちは、深いネットワークで繋がっていることを伝えてくれています。そして、実は動物たちの方が人間たちを癒やし護っていることも。
北海道の猛禽類たちが幸せに安全に暮らせる世界を創ることが、実は、人間が幸せに暮らせる社会に繋がっているのかもしれません。
いずれにせよ、後日配信はあと1週間。
いまのうちに、ぜひご覧下さい。
シマフクロウのちびちゃん。
通常、猛禽類医学研究所では、野生に戻れなくなった傷ついた鳥たちも野生を忘れないよう、名前をつけたり、ペットのような飼育はしてないそうですが、このちびちゃんは、先天的な病気があったこともあり、人の世話を受け、野生動物を身近に感じてもらうべく、親善大使的な役割で活躍していました。今、ちびちゃんは剥製となり、猛禽類医学研究所で会うことができます。
昨日のオンラインセミナーの様子
猛禽類医学研究所のサポート方法は
こちらのサイトからご確認下さい。
今年もクラウドファンディングをされるそうです。