東西ドイツを分断していたベルリンの壁。
まず抑えておきたいのは、これは東ドイツ、西ドイツの国境の壁ではなく、政治的な混乱のなか、東ドイツの中に残されてしまった西ベルリンの街を周囲155キロにわたって築かれた壁。
最初は、鉄条網だけだったり、子どもでも登れる低い壁だったのが、それでも東から西に逃れる人が後を絶たず、人が登れない3メートルを超える頑強な壁になりました。
この壁の向こうにある西側の世界に行こうとして、何人の方が亡くなったのでしょう。
今ほとんど撤去されて、痕跡だけが地面に残されてるだけですが、1箇所、1キロ以上の壁がキャンバスとなり、世界中から招聘したアーティストによるオープンギャラリーになってます。
なかでも、旧ソ連のブレジネフ書記長と旧東ドイツのホーネッカーが交わす熱いキスの絵は、やはりインパクトがあります。
ロシアの首相たちが、挨拶にキスを交わしていたのを何度かニュースで見たことがありますが、中でもブレジネフ書記長のは、かなり熱いキスだったらしい(笑)。だから、この絵は、当時の世情を揶揄したパロディではなく、オリジナルがありますー。
日本をモチーフにしたアートも描かれていました。
ベルリンの壁以外で、ココに行きたいとガイドさんにリクエストしていたのが、映画「ベルリン天使の詩」に登場していた戦勝記念塔。映画の冒頭、オジサンの天使たちが、ここから世の中を眺めていました。
これは、当時の東ドイツの社会が理解できる映画だそう。私はまだ観ていませんが、ガイドさんに勧められました。
ここ数年で、旧東ドイツに残っていた古いビルは撤去され、次々と新しいお洒落なビルに生まれ変わっています。30年前に東ドイツ側を旅行した人によると、当時の東ドイツと西ドイツの格差は歴然としていたそうです。旅行者の私には分かりませんでしたが、今もやはり旧東ドイツ側との格差は残っているそうです。
ベルリンは、日本人観光客が少ない都市らしいですが、ビーガンレストランの多さも含め、私には魅力の多い街でした。特に夏場は夜10時頃まで明るく、9時すぎにも街には人がたくさん歩いていて、旅行者も安心して歩けました。冬はずっと曇天で夜が長いので、夏場にドイツ旅行に行くチャンスがあるなら、お勧めしますー。