ある方の随筆を読んでいたら、大好きな高田敏子さんの詩が引用されていました。
横断歩道の信号を待つ間
幼い少女が 母親に夕焼けを教えている
「夕焼けよ 夕焼けよ きれい」歌のようにくりかえして
母の答えはなくて
信号が変わるや
子を叱り、急がせて歩き出した
子はもう「夕焼け」を言わなかった
母におくれまいとする子の急ぎ足
母には、夕焼けを見る間もおしく
急ぎ帰らなければならない理由があったのだろうか
子の心にこの日の夕焼けは強く残ることだろう
消えないままのさびしさを私の心にも残している
都会での暮らしは、まるで、このお母さんのよう。早く早く、もっともっと。
大自然は、有名な画家が何日もかけて描くような美しい風景を、惜しげもなく毎瞬毎瞬、私たちの前に繰り広げてくれているというのに、それに心を向けることなく、急ぎ足でその日を送っていますー。
昼間、ずっとパソコンの画面を見続けているのであれば、なおさら、朝焼けの時間、夕焼けの時間、そして自然が繰り出す一瞬を心にとめたい、大切にしたい。そんなことをこの詩を読みながら感じました。
そして今、私たちは、美しい自然をみると、それを味わう前に、深呼吸する前に、スマホを取り出して、小さな画面越しにみてしまったりします。インスタにあげるために、大事な時間を失ってしまっている。
このGWから、スマホ断食を再び試みているんですが、いつの間にかついてしまった、この変な癖も、止めようと思いますー。