連休中は、建築家、安藤さんの岐阜の別荘で数日過ごしました。食事は3食自炊。
安藤さんは全国の美味しいものを食べ尽くしていますから、かなりのグルメです。その安藤さんが毎日お味噌汁を作ってくれました。
味噌は名古屋出身ですから豆味噌。色の濃い赤味噌です。
私は広島の甘い系で育ったこともあり、色の濃い豆味噌系、そんなに得意ではありません。
マクロビオティックの講師をしている友人から、女性の身体には豆味噌がおススメと聞いて、過去いろいろな豆味噌、八丁味噌を試しました。が、結果、我が家のお味噌汁は豆味噌ではない味噌がいい、という結論に(笑)。
外食ではもちろん食べますが、我が家では、赤味噌ではないお味噌を常時3種類買っておき、その日の気分によって使い分けたり、合わせたりしています。
その豆味噌が苦手な私が、安藤さんが作った豆味噌の味噌汁を飲んで、最初に言ったのが「なんで、このお味噌汁はこんなに美味しいの?」。別荘なので、出汁は顆粒でしたが(私のためにベジタリアン用の顆粒出汁でした(笑))、豆味噌の苦手な私が驚いたほど美味しい! 具材も、フツーのものだったのに。
次に、安藤さんが出してくれたのが、たまり醤油。これまた、私はたまり醤油が苦手。黒くて塩辛い醤油の印象がありましたからー。
ところが、私の記憶のたまり醤油の味と違って美味しい。
なんで?と驚いていたら、安藤さんが、このたまり醤油は、3年の熟成後、樽から一滴、一滴、落ちてくる醤油の雫で作られるんだーと、その豆味噌とたまり醤油を作っている南蔵さんを訪ねたときの様子を教えてくれました。
たまり醤油で塩辛く感じるものは、熟成期間が短いから、なんだとかー。
私は味噌や醤油など基本の調味料は吟味し、近所のスーパーではなく、原材料や製造方法を調べたり、自然食品を廻ってラベルを見比べて買っているので、それなりの品質のものばかり。
だから、自分でも「なんで?」と驚いたわけですが、たぶん、塩辛さではなく、深いうまみを感じたんでしょうね。

たまり醤油
…安藤さんと南蔵さんとの出会いも不思議で、ある日、何も知らず、半田市のスタジオ・ブレというパン屋さんに入って、パンを食べてたらなぜか涙が溢れてきて、泣きながらそのパンを食べていたら、オーナーの久米さんから、「うちのパンを食べて泣いているなら、この味噌屋さんに行ってごらん」と教えてもらったと。
*スタジオ・ブレのパン屋さんは、半田市の小さなパン屋さんですが、添加物を使わないというだけではなく、粉や発酵に対するこだわりと丁寧さは半端ないです。半田市エリアの方はおススメ。グルテンフリーの私も、スタジオ・ブレのパンは喜んで食べますー。
というわけで、GW中、ポチっていた南蔵さんのたまり醤油と豆味噌がようやく我が家に到着。
今日のランチのサラダは、オリーブオイルとレモン汁と、このたまり醤油をかけて食べました。ドレッシングがなくても十分美味しい。味噌汁も、今日は他の味噌と合わせず、豆味噌だけで作りました。

3年熟成させた味噌を布に平に敷き、それを重ねてゆっくり圧をかけて絞ると、たまり醤油になります。
スタジオ・ブレのパンにしても、南蔵さんにしても、誠心誠意、食べる人を想って、丁寧に作られた食べ物は、カロリーや栄養以外の何かが、食べている人の魂に響いてくるんでしょうね。
ありがたいことに、心意気ある姿勢で味噌や醤油、お酒を造っている蔵元さんやお店、まだまだ探せば日本にはたくさん残っています。スーパーで売っている大量生産ものに比べたら、値段はそれなりにしますが、ベラボーに高いわけではない。かえって、熟成にかかる時間を考えたら「こんなに安くていいんですか?」と思う価格です。
日本は100円ショップを筆頭に、なんでもかんでも、安さ優先、安い方がいい、という風潮がありますが、こういった「丁寧に作られた製品」を1つずつ家に置き始めると、きっと何かが変わるはず。
食器や調理器具、工芸品を職人モノでそろえようと思ったら、桁が1つか2つ変わってきますが、食品は、そんなに高くならないので、お財布にもやさしい。
まずは、味噌や醤油から変えてみてはいかがでしょう?
こんなサイトもありました。
ドイツのテレビ番組紹介された、たまり醤油の製造の様子(ドイツ語です)。
2倍速でどうぞー。