今日ご紹介する本は『10-10-10 人生に迷ったら、3つのスパンで決めなさい!』 by スージー・ウェルチ。
2010年発行で、すでに絶版になっているので、中古でしか入手できませんが、頭の片隅で知っておくといいコンセプトだと思いますー。
実にこの本のことを知ったのはもう13年も前。
テキサスのローフード施設に滞在中、一緒に滞在していた女性から「この本は最近読んだなかで一番だった。読むべき本よ」と紹介されたもの。
ローフード施設で教えてもらったので、てっきりローフードの参考書だと思い込み、すぐに原書で買ったものの、自分が想像していた本とは違う・・・。あれ?とそのまま古本屋へ(笑)。
しばらくすると、日本で同じタイトルの本を見つけ購入してみたものの、やはり「ローフードの本でも食事法の本でもなかった~!」。 しかし、いい本だったという彼女の言葉を思い出し「いつか読もう」と本棚へ。そして、いつしか本棚の密林地帯、さらに奥地へと~。
そして先日、本棚の整理中に再発見。購入後12年を経てようやく読みました。示唆に溢れたいい内容の本でした~。著者は、ジャーナリストであり、20世紀最高の経営者と呼ばれたジャック・ウェルチ氏のパートナー。4人の母でもあります。

絶版本なので、ざっくり、どんな内容か説明すると、
何か決断をするときに、その決断によって「10分後はどうなっている?」「10ヶ月後は後悔していない?」「10年後幸せになっている?」と自問自答。
その決断をすることで起こる「短期結果」、近い将来の「中期結果」、遠い未来の「長期結果」の3つを総合的にじっくり考えてみましょう。その方が最善の決断ができますよ、という本です。
別に厳密な10分後、10ヶ月後、10年後でなくても「現在の変化」「予測可能な未来」「ずっと先の未来」の3つの時間軸を考えながら何が最善かを考えます。
一例として、家族でよく起こりがちな、こんな出来事が取り上げられていました。
ハイテク企業の管理職だったナタリーさん。全くつき合いのなかった叔父が亡くなったと連絡が入った。
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本人のことはよく知らないが、葬儀に行くと、両親や親戚に会えるし、故人への敬意を表わすことができるので、葬儀に行くことに決めた。
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会社を早退して、葬儀に行く準備をしていると、息子からメールが来た。「サッカーの練習場まで車で送ってほしい」。夫からもメールが届いた。「残業になったので、これから、下の息子を歯科矯正医に連れていってほしい」
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こんな状況でつき合いのなかった叔父の葬儀にわざわざ行く必要があるのか・・・?
10分後:「葬儀に行かない」を選択すると、全てが解決する。息子2人の要望に応えられる。
10ヶ月後:叔父に別れを告げるチャンスは1回しかない。高齢の親戚たちに会うチャンスも、もうないだろう。
10年後:子どもたちに敬意と責任について教えたければ、自分の行動で示さなければならない。
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ナタリーさんは、上の息子には、車で送ってもらえる別の人を探すように連絡し、下の息子の歯科矯正の予約を取り消した。
本の紹介には、こう書かれています。
■実話に基づく、10-10-10エピソード満載!
●もう、うんざりの職場。辞めてしまえば10分後はスッキリ。でも、10ヶ月後に後悔しない?10年後、お金は大丈夫? その選択が正しかったと、本当に言える?10-10-10で考えよう。
●大事な取引先とのアポ当日、田舎の親が病気に!どう決断をすべきか、10-10-10で考えよう。たった3分集中するだけで、正解が見えてくる。
●結婚の見込みがなさそうな彼と、続ける? 別れる? 別れたとき、続けたときのメリット&デメリットは、10-10-10が教えてくれる。
優柔不断で決められないあなた。
たくさんのものを、抱えすぎているあなた。
人生を立て直すには、これまでと違うやり方で、決断しなくてはいけません。
心の奥底の価値観にしたがって、選択しなくてはいけません。
「人生上の大きな決断」とまではいかなくても、日常でも、使えそうですー。
例えば、
「このお菓子を今食べたら、10分後はハッピーだ。では10ヶ月後は? 10年後は?」
「目覚ましが鳴ったけど眠い。このまま二度寝したい。→10分後はハッピーだ。では毎日こうだったら10ヶ月後は? 10年後は?」
と未来の自分の様子を想像することで、これまでとは違った選択と行動が出来るようになるかもしれませんよ。
「今の幸せ」だけを短絡的に追い求めていたら、10ヶ月後、10年後は、過去の自分の選択を悔やむような未来が自分に返ってくるかもしれませんー。最善の決断のためには、自分が何を大事にしたいのかの優先順位と価値観を知っておく必要もありますねー。
ともかくも、中古でも図書館でも本が見つからなかった方は、「10-10-10」という言葉を思い出して、次回、何か決断が必要になったときには紙に書き出してみて下さいー。12年たってようやく読んだ本ですが、まぁ、本の出会いはこんなものですー。