バガヴァッド・ギーター 2500年前に書かれた美しい書物

この週末は、テンプルでは５回目の開催となる『バガヴァッド・ギーター講座』でした。全国各地から85名の方々にご参加いただきました。私自身は南インドツアーのときにも聴いているので、これで６回講座を受けたことになります。

毎回、ギーターは、自分のなかで響くところが少しずつ違います。今回、講義を聴きながら何度も感嘆したのが「これが２５００年前に書かれていたなんて！」ということ。

マハーバーラタが書かれたとされるのは、日本だと弥生時代あたり。そんな古き時代に、すでにこれだけの豊富な単語や言葉、表現方法があり、そして今でも読める文字によって、現代に生きる私たちの魂に訴える普遍的原理が記されていることに、あらためて唸っておりました。

2500年前に書かれたギーターの言葉や文章は、今読んでも遜色がないどころか、これ以上美しい書物があるだろうかと、感嘆するばかり。ギーターの舞台は戦場。まさにこれから何万もの人々が亡くなっていく直前なのに、です。

私たちが使っているギーターのテキストは、私家版として翻訳されたものをベースに特別に翻訳編纂されたものゆえ、一般公開できません。なので岩波文庫の上村勝彦先生の翻訳（１２章）を引用しますが、この文章が、約２,５００年に書かれたとはとても思えないと思いますー。

ちょうど１年前にblogで引用した部分です。

（神である）私にこころを注ぎ、私に常に専心して念相する。最高の信仰を抱いた人々は「最高に専心した者」であると私は考える。

すべての行為を私のうちに放擲（ほうてき）し、私に専念して、ひたむきなヨーガによって私を瞑想し、念相する人々、それら。私に心を注ぐ人によって、私は遠からず、生死流転の海から彼らを救済する者となる。アルジェナよ。

私にのみ意（こころ）を置け。私に知性を集中せよ。その後、あなたはまさに私の中に住むであろう。疑問の余地はない。

もしあなたが心を堅く私に集中することが出来ないなら、常修のヨーガ（＊バクティヨーガ／献身奉仕）によって私に達することを望め、アルジェナよ。

もし、常修（＊バクティ/献身）にも能力を欠くなら、私のための行為に専念せよ。私のために行為をしても、あなたは成就に達するであろう。

常に、知識は常修より優れ、瞑想は知識より優れ、行為の結果の捨離は瞑想より優れている。捨離により直ちに寂静がある。

すべてのものに敵意を抱かず、友愛あり、哀れみ深く、「私のもの」という思いなく、我執なく、苦楽を平等にみて、忍耐あり、

常に満足し、自己を制御し、決意も固く、私にこころと知性を捧げ、私を信愛するヨーギン、彼は私にとって愛しい。

喜ばず、憎まず、悲しまず、望まず、好悪を捨て、信愛を抱く人、彼は私にとって愛しい。

「ギーター」に限らず、普遍的原理が書かれている書物は、その書物をどのレイヤーで読むか、どんな視点で読むかで読み方が変わります。ギーター、マハーバーラタ全体を歴史書として読むこともできるし、自分の人生にどう関わってくるのか、という視点で読むこともできる。そして、もっと次元の高い霊的な書物として読むこともできます。

今回、私たちは、自分の人生を高めるための実践的な書物として読み込んでいったわけですが、ケイシーの「神の探求」と通じる箇所が多々あり、実際、『神の探求』の上下巻24課を通じて、私たちが実践すべきことが凝縮されている書物として読むこともできます。

それはどういうことなのか・・・は、是非、来年のギーター講座で学んで下さいませ（笑）。

ギーター講座を聴いていると、毎回、私は「あ、これしよう」と思いつく小さな一歩があります。昨年のblogを読むと、去年、私はギーター講座のあとは、片付けにいそしんでいました（笑）。

そして、今年のギーター講座では、初日に「やはり、Netflixを解約しよう」と心に誓っておりました。残った人生の時間を考えると、漫然とNetflixを観ている場合じゃないなと（笑）。

実際、夏頃からNetflixの解約は考えており、10月末を区切りにしようとはぼんやり考えていましたが、何に自分の時間を使っているか、何に心を向かわせているかをギーターに突きつけられたようなー。なので、「Netflixの解約」の決断は正しいと背中を押されました。←大げさですが（笑）。

ついでに、2年前のギーター講座のあと、私はマハーバーラタの全訳を読み始めています。マハーバーラタの第1巻目はあまりに荒唐無稽の物語が延々と続くので、9冊あるうちの1巻目を読んだあたりで、すっかり挫折してましたが、あらためて続きを読みたくなっています。

ともかくも、ギーターは自分の中のグズグズしている部分を手放し、あらたな決意が生まれる物語でもあります（もちろん、他にやるよう促されている課題もたくさん！）。

アルジェナがクリシュナに、神の姿を見せてほしいと嘆願している場面