何年経っても忘れられない会話、というのがあります。お会いしたこともなく、電話だけの会話でもそう。
15年以上前のこの会話も忘れられませんー。当時はまだ私も毎日お店に出て、直接電話に出ていました(今は直接電話にでることはありません)。
その当時の会話です。
直接お話したのは、30代後半、筋腫があって・・・という女性のお母さん。
前の週にシップのセットを購入したものの、まだ使っていない。使うのは娘さん。でも彼女は昼間、仕事で電話ができないので、代理で電話をした、ということでした。
結局そのお母さん、毎日電話をかけてこられたので、合計4回くらいお話ししたことになります。
電話のたびに「単に湿布をするだけではなく、食事や生活習慣など直接お話したほうがいいと思うので、娘さんの都合のよい時に電話していただくようお伝えいただけますか?」とお話しするものの、毎回「娘は忙しいんです」の一点張り。
「ランチ休憩やトイレ休憩とかは?」「娘は忙しいんです」
「夜7時までいますので、夜7時前でも大丈夫ですよ」「娘は忙しいんです」
という会話を交わした記憶がありますー。
そのお母さんから受けた質問はこんな感じでした。
1回目「湿布は温めないとダメですか?」「お腹にぬるだけでもいいですか?」
2回目「フランネルを使わないとダメですか?タオルでもいいですか?」
3回目 内容忘却
4回目「ひまし油湿布はひまし油じゃないとダメですか? 家にある他のオイルを使ってもいいですか?」
4回目の質問に、思わず私も「いったい何がやりたいんですか?」と聞いてしまいました。
仕事が忙しくて、ランチ休憩もトイレ休憩も電話が出来ないっていうお話に株のディーラーでもされているのかと想像してましたが、どうなんでしょう。湿布、されたでしょうか。されてない気がしますー。
ちなみに、ひまし油はオイルがとても硬い(粘着力がある)ので、温めることでオイルの分子活動が高まり、肌への浸透がより高くなります。また、もともとケイシーが勧めた方法はとても原始的。オイルを鍋で温め、そこにフランネルを浸して緩く絞り、たっぷりとひまし油を含んだフランネルをお腹に乗せて1時間から1時間半横になっているというもの(冷えたら、熱いネルに取り替える)。手もベタベタ、お腹もベタベタという方法でした。
でも、そうやって、たっぷりとひまし油を含んだネルを準備することで身体は自分の必要な量を吸収出来、それを活かすことができます。決して肌に薄く塗るということではないんですよね。今は、手を汚さずに湿布が出来る時代になっていますから、とってもやりやすい。
ところが、湿布ではなくお腹にひまし油を塗るだけだと、やはり手はベタベタになります。さらに、湿布をあてた上からヒーターで温めれば、その上から毛布をかけたりも出来ますが、塗っただけだと腹部を露出したままで横になるしかありませんー。
布についても同じ。1度作った湿布は同じものを翌日以降もずっと使います。タオルだとよれたりするので毎回湿布のたびに、布をきちんと広げる必要があります(すると、また手がオイルで濡れる)。オイルの吸収力もフランネルよりは低い。となると、やはりフランネルが一番使いやすいのです。
いっけん面倒そうでも、フランネルを使って行う方法が一番理にかなっています。
想像だけで「あーでもない、こーでもない」と思ったことも、やってみると「あーなるほどー」と合点がいくことがあります。湿布のやり方も同じ。実際、手に取って、やってみると色んなことが分かってきます。
それと、失敗も楽しんで欲しいなぁと私はいつも思います。
「これをやっていいですか?」「あれをやっていいですか?」と、湿布に限らず、いろんなお伺いや質問をいただくことがよくあります。ケイシー療法については「こうやるといい」という手順や方法はある程度、公開されていますし、今は動画での説明もあるので、以前よりは遙かに伝わりやすくなっています。だから、以前よりはちゃんと伝わっているはずですが、それでも、色々と質問がー。
私は、ものすごく少ない情報しかないときに、試行錯誤しながら色々試していきました。失敗も数々。でも、失敗があるからこそ工夫もできますし、ちょっとしたコツもだんだんつかんでいきます。そういう創意工夫をすることも含め、また失敗も含め、面白がってやっていただければ、もっと気軽にいろんなことが楽しめるのに~と思っています。