昨日、2度めの
『杜人』を観に行ってきました。横浜の方が、テンプルのご近所さんで自主上映会を開催して下さったこともあり楽しみにしていました。午前、午後の2回上映でしたが、各回160名ほどの申込があったそうで、この映画の草の根的な広がりを感じます。
5月に観に行ったときのことは、
ブログに書き残しています。
1回目では表面をさらりと流しただけだった矢野さんの言葉も、2回目ではさらに心の奥深くに入ってきた気がします。地味な映画ですが、見たことがない方にはお勧めです。
映画館上映も全国でまだ続いていますし、自主上映も始まり、問い合わせも数多く入っているそうです。自主上映の条件はそれほど厳しくないので、近くで上映がないという方は、お仲間と上映会を開催するというのもいいかもしれませんー。
造園の仕事をしている人は全国で数多くいらっしゃいます。同じ造園の仕事をしながら、矢野さんのように、受け持った庭やエリアだけではなく、その周りの環境全体から、そして地面の下の様子までを考慮にいれながら、造成できる人はどれくらいいらっしゃるか。5月のブログにも書きましたが、役場の土木課の方には全員に観ていただきたいです~。
上映後、監督さんのお話もありました。
監督は、もともとは雑誌編集者。国立の市議会議員を務めていたこともある方で、二期目を惜しくも落選したことをきっかけに、これからは自分のやりたいことに時間を使おうと、矢野さんの活動を追って撮影を開始。3年半で撮影した時間はトータル500時間。その中から101分の映画にまとめるまでに何度も試写をひらき、意見を聞き、映画として完成させていったそうです。いま、英語版も作っているらしく、これから海外展開も楽しみです。
「杜人 環境再生医 矢野智徳の挑戦」予告編 from Lingkaran Films on Vimeo.
矢野さんがされている環境再生の鍵は、自然のなかに風の道を通すこと。コンクリートで埋めてしまう場合にも、地面の下にちゃんと空気と水の通り道を確保すること。
いま主流の工事は、自然の営みとは全く関係なく、人間の都合により、コンクリートで固めて、何かを作るという工法。水の通り道、空気の通り道を無くした地面は、いったん大雨が降ってしまうと弱い。全国各地で発生している土砂崩れ、山崩れは、その下に作られたコンクリートの建造物が影響しているといっても過言ではないかもしれません。災害が起きずとも、コンクリート詰めの近くでは、植物が影響を受け、根が弱り、枯れていっていきます。でも、小さなシャベル1つで地面に掘るだけでも、空気や水の通りがよくなるそうですよ。
これは人の身体も同じこと。血液やリンパの滞り、神経伝達の滞りを無くすために、整体を受けたり、オイルマッサージをしたり、食事を変えたりしていきます。
体液や神経、筋肉のコリといった物理的な流れだけではなく、エネルギー、プラーナ、そして心の風遠しがよい身体になることも大切です。ヨガの効能の1つは、物理的にもエネルギー的、心理的にも身体にある滞りを無くすことですが、どんな方法であれ、流れのよい身体にしようとする努力はし続けないといけませんね~。
人の心と身体の風遠しがよくなれば、もっと広い視点から物事を見ることができるようになり、同様に、流れのよい自然の中で暮らしていたら、人の心身の流れもよくなり、地球をコンクリートで固めるような政策や工事はなくなっていくような気もします。
まずは自分の心身と、自分の身近な庭や道路から。
矢野さん一人に環境再生を背負わせるわけにはいきませんから。