コロナ渦が始まって、自宅で仕事をすることが多くなりました。自宅仕事になったら、時間の余裕が生まれるはず・・・という期待とは裏腹に、毎日毎日、あっという間に夜が来ます。
自宅にいながらZOOMミーティングをしたり、オンラインセミナーを受講したり、あるいは後日配信で参加できなかったセミナーの動画を観たりという時間が格段に増えたので、そういった時間の確保も必要になってきました。
テレビはないので、テレビ番組を観る、といった時間はありませんが、ゴハンを食べながら、youtubeを観たり、Netflixを観るのが、私の唯一の余暇の時間でしょうか。
歳を取ると時間の経過が早く感じるとよく言われてますが、かつての1時間は今の40分くらいに感じます。
先日、『天才たちの日課(女性編)』という本を、購入しました。
女優、作家、歌手、デザイナー、画家・・・として活躍していた女性が、1日24時間をどう使っていたのか、子育てや家事、夫の世話の合間に、どのように自分のクリエイティビティを高めているのか。仕事はどのように進行させているのか・・・。そんなことがテーマで書かれた本です。男性は超多忙でも、家庭や育児を妻にまかせ、仕事に集中できる環境があるかもしれませんが、結婚している女性は、まずは家庭の中をきちんとすることが暗黙に求められていますから・・・。
登場している女性達のほとんどを私は知らないのですが(アメリカのライターが書いた本なので、登場人物はアメリカ人が多い)、どの女性もそれなりに七転八倒している印象です。
ハリエット・ビーチャー・ストウ氏は1850年、義姉あての手紙にこう書いています。
この手紙を書き始めてから、少なくとも十回くらいは中断させられています。そのうち1回は魚屋がきたのでタラを買うために、もう1回はリンゴ売りに対応するために、もう1回は本屋の相手をするために、赤ん坊をあやすために、台所で夕飯のチャウダーを作るために、そしていままたこうして書いています。必死の決意がなければ書くことはできません。まるで風と潮に逆らって舟をこぐようなものです。
ストウ氏は、この細切れの時間をかき集めて小説を書かれていたのでしょうか。私が子どもの頃は「ストウ夫人」と呼ばれていた記憶があります。『アンクル・トムの小屋』を書いた女性です。
日本人で唯一掲載されている草間彌生さんは、精神病院に入院しながら芸術活動をされているんですね。初めて知りました。
病院の生活は規則的である。朝起きれば7時に検温があり、夜は9時に就寝となる。私は毎日、朝の10時にスタジオに入り、夕方6,7時頃まで作品を制作する。私は自分の作品の制作に専念できるので、日本に戻ってからはものすごくたくさん作品を創ることができるようになった。
(中略)
「朝は早く起きて、夜も遅くまで、ときには午前3時くらいまで起きています。ただ芸術作品を作るためにです。私は命がけで闘っていますし、休んでいる暇はありません」
天才達の日課を読むと、天才達は努力の人でもありました。やらずにはいられない。尽きせぬエネルギーが沸いてきて、それをしないと自分が保てないという人もいます。
パソコンを開けると世界中の情報が洪水のように押し寄せてくる現代と、1900年代、1800年代とは全く状況が違っていますが、今も昔も、天から与えられている時間は誰もが同じ24時間。
田舎であろうと都会であろうと、どこに生きていようと、わたし達に与えられている時間は24時間。その24時間をどう重ねて、実りをもたらしていくのか。まだまだ私は、試行錯誤する余地はありそうです。