1270年続いている東大寺修二会(お水取り)が、なんと、NHKで生中継。夜中までずっと見ていた友人から、良かったよ~とメッセージが入っていました。無観衆になったかわりに、東大寺の奥でされていた秘儀までもが全国放送されていたとは! これはコロナの恩恵ですね。
私はテレビが自宅にないこともあり、テレビの存在すら忘れていましたが(笑)、こういう撮影はNHKの強み。NHKの本領発揮です。普段なら選抜された11人の僧侶しか入れない秘仏安置の奥までもが撮影が許されていました。
昨日から、さっそくオンデマンドで視聴中。第一部は1時間、第二部は3時間の合計4時間もある映像なので、15分、30分と細切れの視聴になっていますが、何もかもが美しいです。
東大寺のお水取りでされている特別な祈りの儀式の中には、遠くペルシャ、インドの様式も含まれているんだとか。毎年やり続けることで、その後の人間の都合による変更が加わっておらず、1270年前と同じことがずっと引き継がれているとは凄い。
これは日本だけではなく、世界にとっても貴重な無形文化財です。
闇と火と音と・・・。
五体投地もチベットでよくされているものではなく、板に身体を打ち付けて板を鳴らすようなものでした。やり続けていたら、膝に青アザができてしまいそうです。
それにしても、国宝の木造建築物の内部で大きな火を使った儀式が行える、というのは1270年間続いていたからこそ。今の常識では考えられませんから…。
ペルシャ、シルクロードの影響があると言われる火の儀式。ということは、火教と呼ばれたゾロアスター教の影響もありそうです。すでに本国ではなくなってしまった様式や儀式が残っているそうで、研究者にとっても貴重な映像です。
3月30日までNHKのオンデマンドで視聴可能(有料です)。
有料でも見る価値はあると思います。