『イエスとエッセネ派』ドロレス・キャノン著
2021年 02月 17日
「この世には女性に教養を与えない共同体も存在すると聞きます」。わたしがスディーにそういうと、驚いたことに、その発想そのものが理解できないといった様子であった。「え、なぜだ? 女性にも教養を与えないと、男性とともに暮らしていけないではないか。男の妻として、ともに生活するのがむずかしくなる。それはなんとも理解しがたい発想だ」。(中略) これでイエスが女性と対等に接していた理由が説明される。イエスがクムランにいる時代から、女性は男性と対等に扱われていたのだ。
S:通常は油の入った「灯油のランプ」を使用し、それに灯りをつける。いい忘れたが、ほかにも「炎のない灯りのランプ」もある。ときに、それを使うときもある。D:その灯りの源は、どこからきているのですか?S:(説明しづらそうに)自分がつくったわけではない。くわしいことはわからないが、容器のなかに灯りの源がある。その容器にはある特徴がある(言葉を探しながら。容器についている「球体」をはずし、なかに灯りをつける。(中略)D:球体・・・?それはガラスの球体のことですか?S:(ためらいながら)…ガラス?D:(説明に困る)もしかしたら、共同体にはないのかもしれません。ガラスはいわゆる(原料)のことです。それはなかまで透きとおっています。陶器とは少し似ていますが、ガラスは透明です。(説明に苦労する)(中略)このとき、ハリエットが「ガラスは水晶に似ている原料です」と伝えた。するとスディーは勢いよく「それだ!」と返答した。(中略)D:それらのランプは、共同体のなかでつくられているのですか?S:いや、大昔からある。古代のものだ。(中略)現代人は、非常に傲慢になっている。近代の設備を最初に発明したのは自分たちだと思い込んでいる。古代の人は現代の人たちが思うような原始的な生活を送っていたわけではないのだ。いまの時代にある設備や装置もすでにたくさん存在していた。暗黒時代が終わったあと、それらが単に再発見されただけなのだ。
「スディーは手を合わせ、合掌していた。さきほどのつぶやきは、まるで祈りを捧げているかのようだった。その瞬間、四つの星はちょうど重なり合った。わたしはその状況をもっとくわしく説明してほしいとスディーに伝えた。S:光線がみえる……。光の尾のようなものが出ている。星々の光のなかから、光の尾がひいている。星の中心から光線がまっすぐ下に落ちている。おそらく、その光が落ちる場所でメシアは生まれる」
「D(ドロレス・キャノン):その赤ちゃんに、なにかめずらしい特徴はありますか?
S:(スディー) (崇敬の念が込められた声で)それはそれは美しい瞳をしている。これほどまでに深く落ち着いている赤ん坊はいない。その瞳にみつめられると、だれもがその瞳の虜になってしまうだろう。まるで宇宙のすべての秘密を知っているかのような瞳をしている。
スディーがメシア本人と出会ったとき、おそらく言葉にならないほど感動したにちがいない。ありとあらゆる事柄の細部までおぼえていても不思議ではない。
D:とても美しい瞳の持ち主なのですね。何色の瞳をしているのですか?
S:いつも同じ色ではない。グレーにみえるときもあれば、青にみえるときもある。また、緑にみえるときもある。その時々でちがう色にみえる瞳をしている。
D:髪は何色をしていましたか。もしくは髪の毛はありましたか?
S:明るい赤毛をしている。色褪せた赤毛といったほうがいいかもしれない。」