エドガー・ケイシーの食事法は、アルカリ性の高いものーつまり野菜や果物を中心に食べます。動物性のもの、穀類などのでんぷん質、その他の酸性を生じる食べ物は1日の2割以下にするというのが基本です。
日本は陰陽の食事法ー玄米菜食が中心の国なので、ケイシー流とは異なるコンセプトです。玄米菜食はゴハンが食の中心。野菜は副菜。しかも全てを加熱して食べ、生野菜や果物は陰性で身体を冷やすから食べません(30年くらい前に学んでいた桜沢さんの「正食」では、生野菜や果物を食べないだけではなく水も飲まない)。
そんな玄米菜食がメインストリームの国なので、ケイシー流の食は、「日本人に合わない」ということを言われることが多かったんですが、最近になって中村天風さんの健康法の本を読んでいたら、アチコチにケイシーと一致する記述があり、嬉しくなってしまいました。
もうずっと以前から、天風さんの本は何冊も読んできたのに、健康本の本を手にとっていなかったのは失態でした。
天風さんも、健康の秘訣は「きれいな血液を作ること」だと言っています。そのためには植物性のものを中心に食をすること、そしてよく咀嚼すること。
咀嚼について、少し抜き書きしてみると、
元来人間の生命維持に必要とする活力は宇宙精気=プラナの力で作為せる、食物、水、日光、土、空気という各種の物質の中に現存している。そして食物の中にある活力素が肉体内部に受容されるのには舌及び歯、並びに口中に存在する各種の微妙なる神経の作用がその第一関門となっている。(中略)
完全咀嚼を施すということは、食物から生命確保に必須とする活力素を全肉体に摂取する第一要素として最も重大な肝要な事柄なのである。(中略)
(十分に咀嚼して食べていると)食物から受ける栄養率が顕著に高度になることを現実に直覚する。すなわち従来半咀嚼的な軽率な食事法を行いし時より数倍の活力素をその食品から摂取し得るからである。
一番理想の食べ物は果物で、もっと人は果物を食べたほうがいい、とも言っています。そしてアルカリ性のものを中心に食べるようにと。
ケイシーは水をよく飲むようにと言っていますが、天風さんは…
★私たちが本当に喉の渇きを感じたときには、どんな人でもまず水を欲しがる。味のついたサイダーやソーダ水のごときは欲求しない。何故なら、そういった液体では本当の喉の渇きは癒せない。
野菜や果物も生のままで是非
★生で食べられるものは出来る限り、生で食べたほうが健康上理想的。肉体組織の細胞生命に必要とするビタミンの素成分を失わないため。
中村天風さん、ケイシーのこと、知っていたのかしら?と思ってしまう記述も多く、パラパラと読んだだけでも、いくつもの共通点がありました。興味が湧いた方は、天風さんの
『錬身抄』を是非どうぞ。
天風さんの健康になる食事をまとめると、こんな感じです(読みやすく現代の日本語にしています)
*獣肉や魚肉などいわゆる動物食餌を過食していないか?
*脂肪類を過食していないか?
*果物や野菜を十分に食べているか?
*1日に1回は「生の」植物性のものを食べているか?
*加工食品や過度に味をつけた濃厚で贅沢な料理を食べすぎていないか?
*熱すぎるもの冷たすぎるもの、刺激の強いものをたくさん食べていないか?
*十分に咀嚼して食べているか? 気ぜわしい食べ方をしていないか?
*空腹を感じて食べているか? 食欲にそそられて食べることが多くないか?
*食事の際、いつもニコニコ気分で機嫌よく、命を支える糧に感謝を捧げて食べているか?
私は早食いの傾向があるので、よく噛んで食べなくては!とあらためて思った天風録でした!