『ICE MAN 病気にならない体のつくりかた』
2020年 11月 27日
「氷山の浮かぶ極寒の湖で泳ぐ」「長時間、氷風呂に浸かる」「ショーツ一丁でキリマンジャロに登る」…すべてはヴィム・ホフ・メソッドを実践した、難病患者を含む一般人が成し遂げたことだ。それだけでなく、健康増進効果や活力を得て、能力の向上まで手に入れた。この事実は、すべての人に偉大なる可能性が秘められていることを示している。もちろん、あなたにも。

定期的に『コールド・トレーニング』をしている人は、ほぼ例外なく前より寒さを感じなくなったと話す。さらに低温に鍛えられエネルギーが「増加」したことや、低温が気分に好影響を及ぼすことについても、幾度となく話を聞いてきた。『コールド・トレーニング』を積み重ねることで、ヴィムは多くの「褐色脂肪」を持つようにもなった。これが身体を温かく保つことを、さらに容易にしている。ちょっと奇妙に思うかもしれないが、褐色脂肪は「脂肪が脂肪を燃やす」という現象を体内で起こしているのだ。白色脂肪が過剰となった「太りすぎ」の人々が『コールド・トレーニング』とすると、褐色脂肪を通して白色脂肪をエネルギーに変換できるようになる。つまり肥満の解消にも役立てられるというわけだ。オランダ血栓症基金による調査では、毎日冷水シャワーを浴びる人も白血球が多い。『コールド・トレーニング』は、太りすぎにも菌類やウイルスによる感染症にも、数々の体調不良にだって効くーーさらに、ストレスや運動不足で収縮し血流を悪化させている血管を開放することまでできる。多くの人がすぐに低温に慣れ、3回程度で効果を感じ始めたことは特筆すべきだろう。過労の人は1日中呼吸が速すぎて、ほとんどの人は心拍数が1分間に70以上もある。つねに呼吸数のレベルが高いとしたら、そろそろ健康上の問題を起こすだろう。できるだけ静かに呼吸しようとした。すると驚いたことに血圧がみるみる下がり、あれだけ悩まされ続けた頭痛まで消え失せた。ヴァン=デア=ポールはブテイコの発見に加え、慢性疲労、燃え尽き症候群、線維筋痛症(リウマチ)、筋痛性脳脊髄炎の患者にも、肩で息をするような必要以上に早く深い呼吸をする傾向があることを突き止めた。心拍変動とは脈と脈のあいだの時間の変化を指すものだ。この変化が少ないときは強いストレスにさらされている。抑うつやストレス、がんを患う人や終末期の人は、例外なく心拍変動が低い。