水も飲まず、何も食べなくなってからの福来は、動くことをピタリと止め、私の仕事机の下にずっとうずくまるようになりました。
かなり痛いんだろうなぁと推測できたのは、リラックスした猫がするようなゴロンと地面に身体を横たえたり甘えることが一切なくなったこと。そして、前脚をそろえて頭をたてるような姿勢でじっとし始めました。頭をあげておくだけでもエネルギーを消費するし、ゴロンと身体を横たえてそのまま熟睡してくれたら身体も休まるのに…と思ってみても、たぶん呼吸が苦しいのと痛みもあったんだと思います。上あごに穴が空いてしまっていたので痛くないわけがない!(でも、痛そうな表情や鳴き声、荒い呼吸は全くない!)。あの小さな身体の、どこにそんな忍耐力があるのか。
頭をあげたままの、いわゆる「香箱座り」で昼も夜も過ごすようになりました。
同時に、身体に触られるのをひどく嫌がり、なでられるのも避けるようになっていました。身体を舐めて毛づくろいをしたり、顔を拭くしぐさや手足を舐めることもしなくなりました。
鼻から茶色っぽいニオイの強い膿が始終でており、それが鼻を覆ってしまうので、ときどき嫌がる福来をつかまえて鼻を拭くということをした以外は、私もそっとしていました。いつも足元にいたので、様子はいつも確認できましたし・・・。
8月18日水曜日
癌が見つかってからは出来るだけ自宅にいて福来の近くで過ごすようにしていました。夜もクッションを枕代わりにしてすぐ横で寝たり・・・。前日も夜中まで近くで過ごし、私はベッドに入ったんですが、18日の朝、起きて様子をみると、これまでにないグッタリ感でベタリと横になり全然動かない。生命力が落ち、身体も冷えていました。
ここにきて、思った以上に急速に状態が悪くなっていることを受け入れざるをえなくなりました。猫は人間の4倍早く年をとると言われています(猫年齢2歳のときが24歳、あとは1年で4歳ずつ年をとる)。症状が進むのも4倍速なのかもしれません。
ところが、そんなにグッタリしているのに、トイレにいきたくなったときには、よろけながらも1日1回は立ち上がってトイレに行くんですよねぇ。ずいぶん痩せてしまい、立ち上がった勢いで後ろ側に倒れたり、ヨロヨロとよろけてドアや家具にぶつかったり、床に倒れながらも自力でトイレに行く姿には感動さえ覚えました。
あまりに状態が悪くなったので、この日、いつもお世話になっている
キャットシッターさんに連絡して面会にきてもらいました。9月1日からの出張にシッターの依頼をしていましたが、このまま悪化の一途をたどると9月1日にはどうなっているか予測もつかないので…。
この日は近所の動物病院で皮下輸液とステロイドを。
そして、前夜作ったビーフジュースを持参して飲ませてもらいました。私が一人で飲ませようとすると半分くらいがこぼれちゃうので。2日分と思っていたら瓶に入っていたものを全部飲ませてくれました。そのおかげか、自宅に戻ってから少しエネルギーが高まったような。グッタリ横になっていたのが、また頭をあげた香箱座りに戻っていました。
そしてこの日は、
キネシオロジストの雪乃さんが夜遅くに来てくれて、福来のセッションをしてくれました。本ニャンは、人に触られるのを嫌がっていたので、私が代理になって受けることに。まずラジオニクスでエネルギー調整を、次にキネシオロジーで福来の潜在意識とコンタクトして今の心境などを読み取ってもらいました。
ラジオニクスは、アメリカ人の医師アルバート・エイブラムス(Albert Abrams, 1863年 – 1924年)によって考案された治療装置です。「波動の転写」「ストレス波動の除去」「遠隔送信」など様々な用途に用いることが出来ます。「地球」、「ラジオニクス」、「利用者」の波動をキャリブレーションし、もしくは、正反対の周波数を加えることで、体の生体エネルギーを高め、抱えている不調の周波数を消していきます。
※ラジオニクスは、市販のものを購入するとかなり高額ですが、自分でも作れます。製作WSや使い方講座は、白木原雪乃さんに連絡をとってみてください。
月曜日で荒木さんのセッションを受けたときもそうでしたが、この日も福来からのメッセージは「あちらに行く準備をし始めている」「肉体だけに存在しているんじゃなくて、もうそこここに偏在しているのに~」「生死の境界線は超えた」みたいなものばかり。痛みがひどい時にはどうやら肉体から抜け出ていたようです(驚!)。
実は前日も雪乃さんから「遠隔でみてみたら、肉体を脱ぎかけてる感じだったよ」とメッセージをもらっていましたし、金曜日から食べなくなった福来をみていると、果たして治療をすることが福来にとっていいことなのか、あとは私が心の整理をして、福来が逝くことを受け止めればいいだけのことじゃないかと、迷いも出ていました。
生きたいのか、逝きたいのか…。どちらが福来の希望で、私は何をしたらいいのか…。
でも、私の本棚に並べていた本の中から福来からのメッセージを拾ってもらったときには、甲田療法の甲田光雄先生の本が選ばれ、キネシでピックアップされた該当のページと文章には、こう書かれていました。
「現代医学では治せません」「でも何かをしなければなりません」
すでに医学的な治療はできない状況だったので「現代医学では治せない」というのは合っています。そして「何かをしなければなりません」という言葉に、実はホッとしました。まだ生きる意欲と希望もあるし、完全にあっちの世界に行きたいわけではなくて、まだ何かをしてもいいってことですから…。
翌日、光線治療の予約も入れていましたし、ヒーリングをしてもらったり、ラジオニクスや光線治療その他、もう少しの間であっても一緒にいれるよう、もろもろの「何かの治療」を続けていいってことだと、福来に正式に許可をもらった感じでした(笑)。
そして翌日は光線治療のセッションに。