『松下松蔵と「宇宙の大気」』
2020年 07月 30日
「親孝行が人間道の根本だ。私は、神様は何神様を信ぜよとか、仏様は何様を信ぜよとか、決してそんな事をすすめるのではない。世の中は親孝行が第一で、親孝行さえするなら、成功も出世もできる。私の教えは、孝行をせよ、その功徳は偉大であるという事にある」
松蔵は自分から謝礼は請求せず、田舎の貧しい患者が神前に捧げるわずかの奉納で満足していた。「いくらお包みしたらよかですか」と尋ねられると、「それはあんたの心次第」と答えていた。収入はすべて、泊まり込みで療養する肺病患者たちの食事の世話で消えていった。
彼は、病気の種類と霊界がどう関係しているのか、どの神様からどんな力がくるのか。神霊界の研究にも取り組んでいた。いつも敬虔な態度で「もっと研究、もっと研究」と本人はしきりに言っていた。
(中略)
暇さえあれば、祝詞を唱えたりして自らの魂のお清めに打ち込んでいたが、お清め中に松蔵の身体が空中に浮きあがったという目撃記録がいくつかある。
ある日道場で、こう説明した。「上から引く力と下から引く力とがあって、下から引く力が強いから人間は立っているが、上から引く力を強くすると、人間は宙を浮く」
(中略)
空中飛行について、現代の人はあり得ない話と受け取るが、太古の時代はそれほど珍しいことではなかったと松下翁は語っている。
「昔の天皇は、3年に1度くらいは肉体で空を飛んで世界中を回られた。また年に1度は霊眼で世界を観られた」
「(天皇が)空を飛ぶには道具がある。空気の箱のようなもので、それで空を飛ぶ。国内の時は一間四方位のもの、外国へは三間位のもので、ハワイまでは3時間くらいで行ける」
記者「あなたはないも教えず、語らずにただ一言『治った』というだけで、10年も20年も長い間患った病気を一瞬間に治されることがありますな。あれは暗示の力ですか?」先生「わしは目の前のものでも千里先のものでも同じように治すことができる。暗示ではそうはいくまい。あれは神の力を見せているのだ。疑い深い人間を手引きする方法なのだ。だからそれによって神を敬い、人間道を反省しなければ、一時は治ってもすぐに再発する」
先生「あなたは神の招きで来た人だ。なにもかもわかっているから、もういいだろう。せいぜい肉類は食わぬようにするがいいよ。わしらは朝は味噌汁1杯、昼はご飯一椀と野菜一皿、それ以外は何も食わないでこれだけ働ける。今の人間は食いすぎているわい。獣の肉を食うと心臓が弱る。血が濁る。魂の穢れを増すばかりじゃ。獣類、鳥類、虫類の恨みも恐ろしいからな」