書籍『成熟脳』で、日本の政治家とフランスの政治家の教育レベルの違いに愕然とした部分。
フランスの大統領に若きマクロンが当選したとき、私達は、マクロン大統領の奥様が25歳年上だったことに驚き、そして60歳を過ぎても魅力的なブリジッドの存在に勇気をもらいました(笑)。
私は美しい年上教師と有能な生徒との熱い恋を想像していましたが、単にそれだけではなく、ブリジッドさんが演劇教師だったということがマクロンにとってはさらに魅力を感じたポイントらしい。

画像は
こちらから拝借
・・・それにしても、フランスのブルジョアジーの洗練された立ち振る舞い(といってもテレビでちょっと見るだけですが)や余裕のある知性はここから来ているのかとあらためて納得。そして日本の政治家の立ち振る舞い、話す内容との差にも愕然。
幼少時から詩と演劇を叩き込まれたマクロン大統領と、言動不明瞭な我が首相との品格の差は歴然です。我が首相は歴代政治家、首相を生んだ家系の出。
日本屈指のセレブリティだというのに・・・。
以下、『成熟脳』から。
「日本のマスコミは年齢のことばかり言うけど、マクロンの奥さんは、高校の演劇の教師だったでしょ?本当は、そこが重要なんです」
曰く、フランスのブルジョア階級では、子どもに最初につける家庭教師は、詩の先生と、演劇の先生だという。ヨーロッパの知識階級は詩の引用を多くするので、詩の知識がないと会話についていけない。イギリスでも、それなりの家庭では、5歳になると詩の勉強を始めるのだそうだ。フランスではそれに演劇の指導者が加わる。その階級にふさわしい立ち振る舞い、装い方などを演劇メソッドとして学ぶのである。ブルジョアの家に生まれなくても、経営者になるときは、演劇の指導者を呼んで、その立場にふさわしい立ち振る舞いを学ぶ。
マクロンの通ったハイスクールはエリート校なので、演劇の先生の地位は高い。単なる部活の顧問じゃないのである。やがてエリートになる青年たちに、エリートとしてふさわしいすべてをディレクションする。いわば、人生のプロデューサーなのである。
かつては日本でも、武家の子ども達は四書五経を学び、庶民の子どもも寺子屋で質の高い教育を受け、論語などを暗誦などさせられていました。無理矢理でも幼い頃から触れた新しい知の世界は子どもたちの脳の可能性を大きく広げ、その後の人間力の素地を作ったはず。
マクロン大統領が受けた教育レベルまでいかずとも、『詩』もしくは俳句や和歌に対する位置づけをもっと高くし、幼い頃からそれらと親しむ環境にしていったら、人生がもっと豊かになりそう。