ロンドン滞在中、イギリスで認知症の研究をしているという女性と話をする機会がありました。
これまで、認知症の患者60名の自宅に行き、生活習慣や食習慣などバックグラウンドなどの聴き取りをしてきたそうですが、彼女が会った全ての認知症患者に、ある共通項があったそう。
その共通項とは…。
それは
家の中が汚かったということ。
単に散らかっているというレベルではなく、モノが溢れて床がみえない状態。家族と一緒に住んでいても、同様に汚部屋。これは一人残らずそうだったそうですから、高齢者でモノに溢れている人、床がみえない状態の方は、要注意です。
コンテンポラリー風水のマークは、全てのモノは情報を発信していると言っています。つまり、あまりに多くのモノが家中に溢れているということは、いわば、日曜日の渋谷や新宿のど真ん中の喧噪の中で暮らしているようなもの。脳が疲労してしまうのも理解できます。
ずいぶん前ですが、マークの来日中に、コンテンポラリー風水の個人コンサルの依頼がありました。通訳希望だったのですが、あいにく、いつもお願いしていた方との調整がつかず、個人的な友人にピンチヒッターで行ってもらいました。彼はアメリカの大学で博士課程を取得して帰ってきた人なので英語力は全く問題がなかったにも関わらず、クライアントさんのお宅で、突然まともな通訳が出来ない状態に陥りました。
理由を聞いてみると、そのお宅は小さなワンルームのスペースにご夫婦お二人が住み、さらに同じスペースを事務所としても使っているため、とにかくモノが多い。必要なものだけではなく、すでに用を終えた不要品も積み上がっている状態で、あまりのモノの多さに目まいがし、脳がフリーズ状態になったんだとか。私も後から室内写真を拝見しましたが、とてもリラックスできるような空間ではなく、お二人の健康状態が心配になったほどでした。
別の例ですが、以前、自宅で英語教室を開いていた知り合いがいました。私も何度か英語の勉強に行かせてもらったんですが、そこもモノが多かった。360度、どこを見回しても何かが目に入る。しかもどこもゴチャゴチャで、心が安まるようなスペースがまるでない。本人はもう慣れた環境でしょうが、英語のテキストから目をあげると、美しくない何かが強制的に目に入るというのはけっこう辛かった。
人はいつしか汚い場所にも慣れてしまうもの。本人はよもや自分の家が人にとって「居心地悪い場所」「めまいを起こす場所」になっているとは思いもよらなかったでしょうが、いつも自分が座る場所から部屋を写メしてみる。すると、自分がいつも何をみているのか、視線に何が入ってくるか、客観的な視点で現状把握ができるのでお勧めです。

この画像は
こちらから拝借しています。
アメリカでは、コンマリさんが
Netfrixでドキュメンタリーになり、今は「コンマリする」みたいな動詞になったほどの片づけブーム。その影響で今は不要品を持ち込む施設はどこも満杯。これ以上受付られません状態だそうです。
片づけても片づけても、モノがどんどん流入してくる日本。放っておいたら汚部屋まっしぐら。
ですが片づけられない部屋は認知症の始まりかも…と意識して、1つ買ったら2つ処分くらいでセッセと家の中を身軽にしておいた方が、未来の自分の心を健康に繋がります。