『ハトホルの書』
2016年 08月 01日
2008年の新年にエジプト旅行をした際、アチコチでの神殿でよく目にする私によく似た顔(旅のメンバーに笑われるほど似てました)がありました。それはハトホル女神と呼ばれている女神だということまでは旅のさなかに分かったんですが、ではハトホルってどんな女神? それが調べたくてこの本を帰国後、購入してました。
…が、しかし、読み始めたものの、最初の数ページであえなく挫折。そのまま本棚の奥深くに眠ってましたが、今回のマイケルさん発言でようやく日の目を見ることに・・・。
本の帯にはこうあります。
『シリウスの扉を超えてやってきた、愛と音のマスター「集合意識ハトホル」。古代エジプトから現代に蘇る!』
「怪しい~!」 この帯からして、「ほんまかいな」とすでに私の猜疑心がムクムクと立ち上がってきます。が、今回はともかくも読み通そうと読み始めました・・・。
意外や意外。これがなかなか読み応えのある素晴らしい内容。なんで2008年のときに早々に読むのを止めたのか自分でも理解できないんですが、マイケルさんのソマティックを知ったことで、よりよく理解できるようになったのかもしれません。
300ページもある厚い本から何か所をピックアップしてみます(ソマティックを受けたあとなので、感情についての記述をいくつかご紹介)
ソマティックで扱う1つが、抑圧された感情の解放。感情の抑圧や断絶についてかなりページを割いて解説がされています。感情抑圧と症状の関係について書かれていますが、そういえば、数年前、テンプルで主催したキネシオロジー講座で、幼少期の母親とのトラウマで『見たくないものを見ないように』極度の近視になっていた男性のデモセッションがありました。抑えつけたことでかえってエネルギー的に蓄えられてしまったネガティブな感情の解放。やはり大事なんですねー。
多くの人が幼児期のしつけや文化的な条件づけによって、みずからの感情や感覚への気づきと断絶してしまっています。わき上がる感情に対する感受性を育まれていないのです。(中略) これは自分たちの世界や自分自身についての重要な情報システムを切り捨てているということですから、きわめて不幸なことです。(中略) ですから「頭でっかち」になっている人は、この世界での直接的な体験や自分の本来いるべきところを拒んでいることになります。
感情の抑圧は健全なことではありません。(中略)人が故意に感情を抑圧すると、その音声シグネチャーが体内細胞組織の奥深くへと入りこんでいくのがわかります。もし相当量の共鳴振動が何度も下位のレベルへと伝えられ、さらに抑圧がくり返されて感情やエネルギーが細胞の奥深くにたくわえられると、実際に肉体に否定的な影響が現れはじめます。肉体は、そうした表現されていない感情を症状としてつくり出すようになるのです。
そして霊性の向上を目指すなら、自分のネガティブな感情、心の奥底に抑圧してしている感情とも向き合う必要があると書かれています。これはケイシー流に解説した「ヨハネの黙示録」でも述べられていることです。
自分自身の地下世界は避けて通ることができないということです。そして高次の霊的神秘を見出そうとするまえに、自分自身の無意識という地下墓所に降りていかなければならないということです。
おわかりと思いますが、バランスのとれた意識を維持するには、高次の意識に行けば行くほど、一方ではそれだけ深く掘り下げる必要があるのです。(中略) 人であるあなたのなすべきことは、この次元における体験の全レベルを統合し、癒すことなのです。
見えない世界の話ですが、他人のエネルギーを吸い取ったり、攻撃したり、ということを意識的にあるいは無意識のレベルで行っている人達がいるのは事実のようです。私は自分が気が強い性格なので、全然大丈夫ーと思っていましたが、そうではなかったことを実感する出来事が多々あり、エネルギー防御や繊細さは私が学ぶべき1つになっています。
感情レベルではさらに考慮すべき点があります。地上を席巻している集団意識や想念型や感情的なエネルギーの活動には、生命力を弱めたり抜き取ったりする傾向があることを忘れないでください。そのため生命力に満ちて感受性が鋭くなった人は、自分のエネルギーを守る必要が出てきます。(中略)エネルギー全般に対して、とりわけ自分のエネルギーに対してもっと敏感になってくれば、だれかにエネルギーを抜き取られたり、だれかに与えっぱなしになっていることが察知できるようになるでしょう。それらは疲労感や倦怠感として感じとれます。
Mind is the builder.心は造り手、というのはケイシーリーディングの根幹をなす1つでもあります。
もしあなたが愛に満ちた人間関係を望むなら、あなたの意識のなかに、愛に満ちた人間関係の波動を保っていなければなりません。そうすれば磁気的法則により、あなたは愛情豊かな人を身のまわりに引き寄せることになるでしょう。(中略) 自分の未来の外的現実を変える鍵は、自分が内側で下す選択から生まれることを確信してください。どれだけ絶望的な状況にあっても、自分の内側の姿勢を改めて、新たな運命のパターンの種を撒くことで、あたかもまた日が昇るように、運命が新しい方向に展開しはじめるでしょう。
世間で云われているようなアセンションの概念は好きではないのですが、このアセンションの概念は好きです。アセンションについてまるまる1章を使って解説されているので興味がある方はぜひ本でどうぞ。
アセンションのゴールとは、ある特定の意識のオクターブに達することではなく、自分自身を愛にゆだね、そして人生に起こりくるさまざまな状況に対して最高次の可能性にゆだねることなのです。(中略) わたしたちの念頭にあるアセンションのゴールとは、日常をできうるかぎり豊かに精一杯生き、常に愛と気づきという偉大な力にゆだねて生きることにほかなりません。(中略) あなたが手掛けられることというのは、あなたが世界にもたらす愛を増やすことなのです。
出合いのすべては生命に貢献するチャンスです。買い物をしているときも、ガソリンスタンドに行くときも、職場の同僚に会うときも、人に親切にし、思いやるチャンスです。ところが気が急いていたり自分のことで夢中になっていると、まわりの人々がまるで物体のようにしか目に映らず、せっかくの神聖な瞬間を逃してしまいます。つまり生命に貢献するチャンスを逸することになるのです。しかし同様な状況でも、一瞬立ち止まって、自分が「聖なる神秘」をその人と分かち合っていることを思い起こせば、あなたは生命に貢献するチャンスを手にしたことになります。
私がもっている本のあとに「改訂版」「新・ハトホル」の書と2回改訂されています。初版で終わってしまう本が多いなか、それだけ読者から出版の要望が多かったのでしょう。翻訳も読みやすいです。私は購入して8年後にようやく読んだ1冊ですが、おススメです。