テンプル社長ものがたり
2016年 02月 07日
1996年、それまで3年ほど一緒に暮らしていた兄の結婚を機にふたたび一人暮らしをすることに。
親は広島に帰って銀行勤めか公務員になってほしいと願ってましたが、会社員にはとてもなれないわたし。自宅でひっそりやっていた、ケイシー用品の通販を本格的に始めることにしたのでした。
まずは自宅兼オフィスを借りる必要が。
当時はケイシーセンターでの事務仕事も担当しており、しかも、フルタイムで仕事をして給料は3万円とか5万円とかだったので、会社員時代に貯めていた貯金はほぼゼロ状態。親にお金を借りようと思ったら、父が仕事で使う機械を壊して、その修理に何百万か融資を受けたばかりで、あっさり却下。友人に150万円借りて、なんとかマンションの敷金、礼金払ってスタート(貯金ゼロ、収入ほぼない状態なのに、夢は大きく家賃24万円のマンション借りたのだった!)。
つまりスタート時点は、貯金ゼロ、借金150万円。手元にあったお客さまのリストは約200名。200名のお客さまが時々ひまし油などの商品を買って下さればなんとかなるのではないかと甘い予想で始めたのでした。
当時のことを私は『もやしの時代』と呼んでいます。
何故なら、月末の家賃と商品の仕入代金振り込んだら、お財布の中はほぼゼロ状態。家賃がなんせ24万円。ひまし油の注文が全くなくてもお隣に住んでる大家さんには家賃を振り込み、仕入れ先にはその代金を振り込まないといけないわけですから、どうやって食べていけたのか・・・? もやしは安いので、なんだか、スーパーに行くと、もやし売り場にばかり行ってた気がします・・・。
亀のような歩みですが、少しずつ会社も大きくなってきました。
これはよく人に話すことですが、10年経とうが、20年経とうが、会社が安定しようが、動いているかぎり問題は常にあります。それに終わりはないです。
でも形は変わります。
例えば・・・
2年連続で赤字だったテンプルも、3年目にはなんとか黒字に。
3年目も、やはり滑り込みセーフのギリギリ3月15日に税務署に申告に行ったんですが、黒字になったら、税金の支払いというものがあるんですねー。知らなかった、税金の支払いには猶予がないこと。
滞納したときの利息が高く、すぐに支払いたいけど、手元には全く現金がない。銀行の通帳にもお金がない。
たしかその年に納めた税金は15万円ほどだったと思いますが、その15万円が無い!仕方がないので、仲良しで、今は国立で月船というお店をやっている森下さんに電話をして、月末までに振り込んでもらう予定の商品代金をその日のうちに振り込んでもらって、ようやく納税したのでした。
おかげさまで、今は15万円の残高が通帳にないってことは無くなりました。でも、やはりお金の問題はあります。
規模が変わりつつ、ずっとあります。
当時の問題は毎月月末に支払うお金がないことでしたが(例えばこんな感じ)、それが、銀行融資の返済プランになり、いま私が抱えているのは、どうやって3億円を作り出すか。八ヶ岳のプロジェクトを始めるのに必要な初期投資が3億円なんです。
特に去年から私が取り組んでいるのは、3億円というお金を扱える自分になるため、無意識のキャパシティをあげること。これがなかなか私にはハードルが高いのです・・・。
お金の話しばかりになってしまいましたが、この三次元世界では、それはとても大事なこと。何かを始めたい方、もしくは始めてはみたものの理想と現実のギャップに迷いの中にいる方がいらっしゃれば、私も同じだったんですよ、ということで。