日本の夫婦事情を考える・・・
2014年 11月 29日
さてさて、来日中にマークの誕生日があったこともあり、アドバンスで一緒にコンテンポラリー風水を学んだ生徒さんたちと居酒屋さんでワイワイお喋りする機会がありました。
風水講座の内容からコンサルの苦労話。そして話題はいつしか、日本の夫婦寝室事情、日本の夫婦事情に・・・。
10月末のブログであるご家族の設計図面にビックリしたエピソードを書きましたが、どうやら、あれは氷山の一角ならぬ、どこにでもあるフツーの家族の風景のようで・・・。
いま日本ではどれくらいの割合のご夫婦が寝室を共にし、あるいは夜、時間を忘れて語り合っているのか知りませんが、友人知人の夫婦の様子や風水コンサルで訪問させていただいたお宅の多くが夫婦別々に寝ている様子を知るにつけ、私の両親は田舎のごくごく普通の夫婦で、時に派手な夫婦喧嘩をし、時に口をきかない時があり、時に父が寝室から追い出されてもいましたが、かなり幸せな部類の夫婦だったんだなぁとシミジミ。
そのような両親を持った私は、それだけで幸せな子供時代を送らせてもらったなぁと・・・。
なんせ、私の父は妻大好き男。夕方仕事から帰ったあとは常に自分のそばに母がいないと機嫌が悪くなる人で、毎晩毎晩、母が作った手料理を食べながら、自分が眠くなるまで母を晩酌の相手にしながら喋り続けておりました・・・。
だから時に母が見たいテレビがあったり出かける用事があった日は、母を父から引き離すために私が父の晩酌の相手をしていたくらいで、いま振り返ると、毎晩毎晩、父は何をそんなに喋ることがあったのかってちょっと不思議です。
しかし、家の中には父最大のライバルが・・・。
というのも、5歳年下の妹は学校から帰ったあとはその日学校であったことを逐一母に報告したい子供でして・・・。だから学校から帰った妹と仕事から帰ったの父は、どちらが先に母と話をするのか、どちらが母の感心と時間を独占できるか、母を巡ってのバトルが勃発。世界で一番、そして真っ先に喋りたい人が父にとっては妻で、妹にとっては母親だったわけですから、バトルも起ころうというもの。しかも、それは妹がまだ保育園の頃から始まっていたわけですから、保育園児と母を巡って争っていた父は、考えたら、かなり大人げない人だったのかもしれません・・・。
何か買ってほしいものやお願いごとがあって母に相談すると「お父さんがいいと言ったらね」。晩御飯も私たちがお腹を空かせていても食べ始めるのは「お父さんが帰ったらね」。お風呂も「お父さんが入ったらね」と、何につけても父は家族の中の一番に置かれていました。昔の家族って、どこもこんな感じだったと思いますが、何もしないと自然に(母+子供)VS父親となりやすい父の立ち位置を家長として確立できるようずっと配慮していた母は出来た人だったなぁと思います。
そんな両親を見て育ったので、家族全員が個室を持ち、さらに父親の部屋が一番小さいなんていう新居の設計図は、私には想像もつきませぬ・・・。両親の寝室が別っていうのは、お父さんの鼾がうるさいからじゃないですかっていう声もありましたが、私の父は外を歩いていても聞こえるくらいの大音響の鼾をかく人でしたが、ウルサイと嫌は違うものなんですよ。だってそれは家族の音ですもん。
もしその音を嫌だと感じるなら、その根底には何か別の要因があるんじゃないでしょうか(踏切のそばに引っ越すと、最初は眠れないほどうるさく感じても、1週間もすれば気にならなくなります。音って、それに対して怒りを感じない限り、じきに慣れてくるものなんですよね)。
さて、今の、特に都会の夫婦事情に話を戻すと・・・
私の友人知人でも、パートナーとはほとんど口をきかない、夫婦の会話は事務連絡程度、寝室は当然別っていうのが圧倒的多数。そんな低空飛行の関係でもそれなりに続いていて、それなりに仲が良さそうではありますが、なんだかさびしいなーって思います。単に離婚を考えたり行動を起こすほどのエネルギーが無いから続いている感じさえしてきます。そして、怖いのは、こういう冷え切った会話のない夫婦の割合がじわじわと増殖中なこと。そのうち過半数を超えていくんじゃないかと懸念さえ感じます。
別に家で口をきかなくても、事務連絡くらいしか話題がなくても、寝室が別でも、喧嘩もないなら別にいいじゃないですか、と言われそうですが、本当にそれでいいんでしょうか。
何か感動したとき、何か面白い本を読んだとき、何か喋りたい思いが溢れてきたとき、自分のことをもっとわかってほしいと思ったとき、それを求める相手が結婚している相手じゃなかった人、家族でもなかった人、ホントにそれでいいんでしょうか? 夫婦でいることは努力のいることだと思いますが、その努力をとっくに放棄している人、分かりあうことを諦めている人、多い気がします・・・・。