「筋肉」よりも「骨」をつかえ!
2014年 06月 29日
この本は、武術家の甲野善紀氏と骨ストレッチを提唱されている松村卓さんの対談本。筋肉隆々のたくましい身体ではなく、動きやすい動ける身体を目指しています。多くのスポーツ選手が激しい筋トレをすることによって本来の身体能力を下げ、選手生命も縮めていると。
来月、新体道の創始者青木宏之先生にお会いすることもあり、それまでに身体についての本を読んでおこうと購入した1冊でした。松村さんの筋肉ほぐし、かなり痛そうだけど興味あり。運動嫌い、体育嫌い、筋肉無しの私でも面白く読みました。
本のなかで、多くの方に共通して面白いだろうなと思う部分を以下に引用します。
ジムでセッセと腹筋を鍛えている方、ちょっと待った!かもしれません・・・・。
松村:私の場合「なぜ腹筋をやったらダメなんですか?」ってよく聞かれるんですが「じゃあ10回腹筋をやったあとで、腕を回してごらん」っていうと、全然回らなくなるんです。
前屈すると痛いって言いますし、歩いてもらうとほんの数メートル進んだだけで足取りが重く、体が鉛のように感じてしまう。「腹筋を鍛えて、走ることに何かメリットがあるんですか?」って言うと、みんな黙っちゃうんです。
松村:これも試してみればわかりますが、腹筋は固めるよりもゆるめたほうがいいんです。私は「腸ほぐし」と呼んでいますが、仰向けに寝てお腹を指先で30秒ほどほぐした後で立ってもらうと「あれ、先生、立ちやすいです」って、それだけでハッキリと変化が体感できるんですね。(中略)
松村:要するに、腹筋を固めてしまうと、動作の要である大腰筋が使えなくなってしまうんです。表層の筋肉をガチガチに硬くしてしまうことで、肝心のインナーマッスルの動きが制限されてしまうんですね。
5本指ソックスについて。え~?そんな~?です。1本1本の足指がしっかり大地を踏みしめることができる、という理由で、5本指ソックスは通常のソックスより健康的である、と履き始めた人間の一人・・・。
松村:以前、東京で講習会をやった時、あるご夫婦が5本指ソックスを履いていたので「足の指先が緊張するのでやめたほうがいいですよ」って指摘してあげたんです。実際、5本指ソックスを履いたまま腕をまわしてもらうと、全然まわらない。逆に脱いだら、今度はラクにまわります。
奥さんのほうは「初めて5本指ソックスを履いた時、じつは足が嫌がって1分も履けなかった」という経験もしていたようなんですが、「健康にいいから」と頭で考えてその後も履いてきたわけですね。身体の声をうまく聞けていなかった本人は、ちょっと悔しがっていましたが・・・(笑)
甲野:5本指ソックスって、そんなに負荷がかかるんですか?
松村:結局、浮き指になっちゃうんです。ソックスをピッと強く履いてしまう人が多いんで、5本の指が反ってしまう。指が反ると接地の時に指が使えませんから、足の裏の筋肉(足底筋)が張るんですね。酷使すると足底筋膜炎になってしまう。
(中略)
松村:ちょっと指にかぶっているくらいならいいんですが、たいていの人はピチッと履こうとしますよね?そうすると1つ1つの指が独立してしまって、過緊張を起こすので、足底が張って動きが落ちる。それこそ、頭で考えている世界と身体が感じている世界は違うということだと思います。
昔の日本人の身体能力がわかる写真。小柄な女性一人で300キロの米俵。飛脚は1日何百キロも走り続けたというし・・・
鍛えない、ストレッチしない、トレーニングもしない選手が意外や意外、成果を発揮しているようで・・・。私は筋肉は鍛えてないのに身体がガチガチ固いので、まずは身体をほぐす、骨をほぐすところからスタートです。