斉藤公子式の保育園に入園したい(私が)
2014年 02月 18日
斉藤公子保育については、天外先生の講座の中で何度も出てくるキーワードだったこともあり、以前からどういう保育なのかずっと興味がありました。松山はちょっと遠いけど、天外先生+石木先生のコラボ講演というのはまたとないチャンス。1日で和歌山→松山→羽田→横浜を移動する、という日になりましたが行って良かった!
石木先生から伺った斉藤公子保育の実際の様子、それはそれは素晴らしかったです。子供に向き合う姿勢、子どもの欲求にとことんつきあう姿に感動してしまいました。
タイムスリップして子どもに戻り、斉藤公子式の保育園に園児として入りたいくらい!
講演の中で園児が描いた絵を何枚か紹介されたんですが、その絵の素晴らしいこと! しかも、特別いい絵を選んで持ってきていたのではなく、昨年卒園した園児の絵を全部持参されていたので全くの取捨選択なし! どの1枚を広げてもノビノビと自由に描かれており、そして、子供たち一人ひとりが愛情をいっぱい受けて育っているのがじかに伝わってきます。見ている私の心が緩んでくるようなそんなあたたかい、想像力豊かな絵ばかりでした! あんな伸びやかで素直な子ども絵、見たことがない! 本当に感動した!
講演会後、石木先生に直接そうお伝えしたら、私も園児が羨ましいと云われてました。
斉藤公子保育ってどんな保育法のかというと・・・(私がお話を伺ったなかで理解したものなので、これがすべてでもないと思います。私というフィルターがかかっているので、興味がある方は本やDVDであらためてご確認下さい)。
*子どもが夢中になって何かやっているとき(フロー状態にあるとき)は、それを止めない(オシッコをもらそうが、泥だらけになってようが、雨が降ろうが中断させない)。
*その子どもが何かしているとき、それを止めさせるような言葉を使わない(止めなさい、ダメでしょう、などを言わない)。
*まずは脳のなかでも古い脳(爬虫類脳)を発達させるような体操を行う。大脳新皮質優先の知識教育はそのあと。
*そのため、文字を教えたり本を読ませたりしない(その代わり、本の読み聞かせをたくさんして、想像する力をつける)。
*子どもに自由に絵を描かせる。その絵から子どもの心の様子や発達状況をみて、その子どもに必要な遊びをさせる。
子ども時代って、あれやったらダメ、これやったらダメ、これも危ない、あれも危ないと廻りの大人たちに言われながら大きくなります。なかには、両親や廻りの大人から「それだめ、これだめ、アアしろ、こうしろ」ばかり言われ育ってしまう子どももいるかもしれません。子どもって大人の都合のよいことより、危険なこと、汚れたりずぶ濡れになることなんか大好きですから。
子どもが夢中になってやっていることを止めないことの一例として、実際に過去にあった2つのエピソードを話して下さいました。
1つは、多動症の子どもが入園してきたときのお話。その男の子は動きたいという衝動が激しく、入園した日から、寒い日であろうと雨の日であろうと、登園後はずっと園内を走り回っていた。保育園の先生はそれにひたすらつきあう。それも毎日、毎日。園内を走り回り続けるのが数ヶ月続いたある日、その子どもが階段のステップに一人座っていた。どうしたの?と聞くと「疲れちゃった」と一言。そしてその日から彼が園内を走り回ることがなくなったのだそうです。
別の子どもは園内にある水道の水を散らして遊ぶことに夢中になった。大人としては、水がもったいない、水道代が高い、早く止めてほしい・・・と思うけど、子どもが夢中になっていることは止めないということは斉藤公子保育の鉄則。なので、ずっと彼の水遊びを見守ることを続けた。・・・その後、彼の水遊びが止んだのは実に11月に入ってから。水遊びをするにはあまりに寒い日、彼は自分から水遊びをするのを止め、それからしなくなったのだそうです。
子どもが夢中になっていることに思う存分、満足いくまでつきあう。これって出来るようでなかなか出来ることではないです。どんなことであっても、ここまで自分を受容してもらった子どもは、自己重要感が満たされ、のびのびと素直に自我を発達させることができるのではないでしょうか?
そして、私が斉藤公子保育に俄然興味を持ったのは、子どもたちの絵を見せてもらったとき。うまい下手を超えた、イメージ豊かで色使いも自由なのびのびした絵に本当に感動しました。百聞は一見にしかず。ぜひ実際の絵を見て下さい(2分30秒あたりから子供たちの絵が紹介されています)。
斉藤公子保育では、子どもが紙に何かを書き始めたとき、絵を描き始めたときは、大人の視点で子どもにヒントを与えたり、誘導するようなことはしない。大人の思う「いい絵」を描かそうとしない。例えば「人間の顔」を描いたときも、鼻は?目は?とヒントを与えない。そして早い段階から多色の色で塗らせることはしない(最初、子どもは単色で絵を描き始めるそうです)。子どもが自由に描くがままにさせる。そしたら月齢ごと、年齢ごとで、その子どもにあった成長段階をちゃんと一段一段上っていく・・・。
私は保育園や小学低学年のときは絵を描くのが大好きで、先生がその1枚をどこかのコンクールに提出したら入賞したとかで賞状をもらったことがありますが(その後、「上手な絵」が描けなくなって絵を描くのがコンプレックスになってしまいました)、こんな遊び心のある絵、描きたかったなぁ、と羨ましいほど。大人が感じる「うまい絵」じゃなく、心のままに描くそのこと自体を許してもらいたかったなぁと、大人の私は思います。
斉藤公子保育を実践している保育園は全国にあるようです。友人が経営しているマミーズファミリーもこれから爬虫類脳を刺激する斉藤公子式のリズム体操を取り入れていくそう。
爬虫類ハイハイ、大人はうまく出来ないらしいんですが、爬虫類ハイハイやって原始脳活性化したい。あ~、それにしても、タイムスリップして、保育園児になって斉藤公子式の保育園に入園したい・・・。子ども達が羨ましいなぁ・・・。
斉藤公子保育についてはこちらから
天外伺朗著『「生きる力」の強い子どもを育てる』
脳性麻痺の可能性が高かった息子さんが、リズム体操などを実践することによって障害のなく成長をしていった、という体験談(対談)