秋の奈良、奈良の秋
2012年 11月 27日
訪れたのは
22日:大神神社ー三輪山(山頂のイワクラまで)ー山の辺の道散策ー八代竜神ー桧原神社
23日:手向山神社ー枚岡神社ー信貴山ー香具山(国常立神社、香具山神社)ー安部文殊院
せっかく近くを通りかかりながらも、法隆寺も東大寺も春日大社も通過し、ピンポイントで行きたいところだけを廻った感じです。
晩秋の日本の田舎の風景はいいですねぇ。
神社があり、近くの畑で農作業をしている方の姿があり、すっかり葉っぱを落とした柿の木にはそれでも柿がまだ実っており、そんな景色を見ていると、向こうの山に陽がだんだんと落ちていき、夕焼け空がいつのまにか星空に・・・。
なんと平和で静かな時間だったことか。
ずっとコンクリートとアスファルトに囲まれた日常を送っていたので、奈良で、今年初めての『秋』を感じた気さえしています。
奈良の山の辺の道を歩きながら、おそらくここは、1000年前も500年前も風景は変わらず、衣装は違えど、昔の人たちも、この道を行き来して日々の暮らしを紡いでいたんだろうなぁと想像していました。
私は3.11以降、このような日本の原風景とも言える場所を歩くと必ず福島のことを考えるようになりました。福島のような原発事故が今一度どこかで起こってしまえば、たとえそこがどんなに風光明媚であろうと、古来より歴史を重ねてきた土地柄であろうと、地域の方々が地域興しを頑張っていようと、農家の方が何年もかかって無農薬野菜の土作りに励んでいようと、原発から一定区間はすべて立ち入り禁止地区、ゴーストタウンになってしまいます。
地元の利権と現世利益に群がった人たちの欲で作られた今の電力産業。そんなもので、日本の故郷やそこに暮らす人たちの心がズタズタになっていいものでしょうか。
ギリギリセーフ、紅葉に間に合った晩秋の奈良。ゆっくり流れる時間のなか、仕事のことも浮き世のこともなーんにも考えず、ただひたすらにその瞬間を味わった2日間でした。