子象の孤児院・キリマンジャロの雄姿に大興奮の1日
2012年 04月 09日
いい旅だわ~。
今朝は長旅の後の疲れを癒すため、集合は朝10時。
この旅で私が唯一知っていた、そして楽しみにしていた場所が今日訪れたシェルドリック野生動物孤児院。密漁のために母親を殺されてしまった子象たちが育てられているところです。
観光客一同が待つ広場に走ってきた子象たち。お目当てのミルクを飲み、草をはみ、そして観光客のなでなで攻撃を受け、そして去っていきました。子象たちが広場でウロチョロしている間に、司会の方が、この象は名前は**。いま**才で**才の時に親を殺されここに来ました、と一頭一頭説明をしていました。
私たちが可愛い象たちの仕草にいちいち歓声をあげている一方で、彼らの悲惨な生い立ちを聞く、というのはかなりシュールな場面。胸を痛めながら同時に喜んでいるわけですから・・・。
本来であればこんな孤児院の役目は無いほうがいいわけですが、象やサイといった角は、漢方薬や工芸品として高く取引されるため、密漁は増える一方。特に最近は象牙を金持ちのステイタスと考える中国人の需要が増えているため、象牙ビジネスは増えることはあっても減ることはない。
私も以前は象牙がどのようにとらえているか全く知らなかったので(乳歯が生え替わるように象牙も生え替わったり、切っても伸びてくると思っていた。まさか象牙のために象を殺しているとは想像だにしなかった)、象牙の工芸品を美しいとずっと思っていたけれど、象牙製品を使っている多くの消費者は、手元に持っている象牙細工とアフリカの大地で幸せに暮らしている象が殺されている現実を繋げて考えてはいないのではないかと思います。
龍村監督が撮影されたガイアシンフォニー1番には、この孤児院で育ったエレナという、それはそれは心優しく賢い象が出てきますが、このエレナもおそらくはもう殺されてしまったのでは?と言われています。
象牙ビジネスのために親が殺されてしまった場合、子象は生きていくすべを無くしあとは死を待つだけになってしまうわけですが、運良く発見された子象たちは各地からここに運ばれ、ある程度大きくなるまで育てられ、そして野生に戻っていくことができます。
象は寿命の長い動物なので、その分、密猟者に見つかる確率は高くなってしまいます。密猟が止まるためには、象牙は売れない、象牙を持つ人は社会的に反対のステイタスになる、くらいの文化にならないといつまで立っても密猟は後を絶たないでしょうね。象牙が流通している国では小中学校くらいのうちに、今、使っているものがどこから来たのか教える授業があってもいいんじゃないでしょうか。
ランチのあとはアンボセリ国立公園に移動。約3時間半のドライブ。
ケニアの大地をひたすら走るドライブも、これがまた雄大。途中からキリマンジャロ山をずっと右手に見ながらのドライブ。走っても走っても、まだ右手にはキリマンジャロ山、とう感じ。キリマンジャロ山のあたりは雲が多く出るらしく、裾野は見えても頂上が拝めるのは滅多にないと言われているらしい。今回私たちは2泊するので普通のツアーよりは2倍、頂上を見る確率が高くなる・・と言われてました。
夕方、キリマンジャロのすそ野に大きな虹が。それだけでも、かなり嬉しい気持ちで虹に見入っていたら、国立公園に到着したあたりでなんとなんと!キリマンジャロの頂上がくっきり。しかもその横にはまだあの虹が残っている。もう車の中の私たちは大興奮。感動のボルテージも上がるあがる!
なんと、もしかしたら見ることができないかも、と言われていたキリマンジャロの頂上を、アンボセリ初日で拝むことができるなんて。今日は奇しくも叔父の誕生日。素晴らしい74才の誕生日プレゼントでした。
子象登場

まずはミルク

ひさすら撫でまくる!

一番のチビ象。まだ生後4ヶ月

私がナオコと名付けた(途中、男の子と判明、ナオ助と改名)痩せっぽち象

私たちを歓迎してくれるかのように顔を出してくれたキリマンジャロの頂上

キリマンジャロの雄姿

