「闇の守り人」
2010年 08月 16日
上橋菜穂子さんの本は、児童向けのファンタジー小説だといわれる。実際、最初の版は子供が読みやすいようにひらがなの多い本だったらしいが、この「闇の守り人」、児童向けというにはあまりに深いのだ。
ストーリーはざっとこんな感じ
主人公バルサは短槍使いの女性用心棒。すでに30代を越し目尻のしわも目立つ。6才のとき、王国の陰謀に巻き込まれ命を狙われる身となったため、父親はバルサを親友ジグロに託す。ジグロは自分の人生と故郷を捨て、バルサとともに放浪の身となる。
新王がジグロとバルサ暗殺のために送り込んだのが、かつてジグロの親友でもあった8人の刺客たち。ジグロは、かつて友人だった男たちをバルサの命を守るために1人、また1人と殺さなければならなかった・・・。ジグロが友を殺し、その遺体の上で慟哭するのを見て育ったバルサ。
その後病死したジグロの汚名をはらすため、バルサは故郷に25年ぶりに帰郷する。バルサの帰郷は、山の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。その闇の守り人の正体とは・・・?
「闇の守り人」はシリーズ第2冊目。
第1冊目の「精霊の守り人」はバルサ本人が少年チャグム(ある王国の王子)の用心棒となる話。バルサを守るためにジグロは戦い、そしてチャグム王を守るためにバルサは戦う。
ジーナ・ローランズがひたすら格好良かった映画「グロリア」やジャン・レノ主演の「レオン」が好きだった人は、きっと読みだしたら止まらないハズ。
架空の王国のお話なので、登場人物たちの名前がときどき混乱してしまいがちではありますが、この本は、大人にもお勧めしたい・・・。心の奥底に深い余韻の残るファンタジー小説です。
追記:
シリーズ3巻目の「夢の守り人」も、読み出したら止まらない1冊でした~。上橋菜穂子さんは、誰もが心の奥底に持っている闇や不安、欲望をこんな形で、しかも子供向けのファンタジー小説に変容できるなんて。。。!
毎晩1冊ずつ読了する日々がスタートしてしまいました・・・・。眠れない夏の夜のお供になりそうです。
そう、会場外のエスカレーターで、光田さんの真後ろにいて、「うーん・・・何となく光田さんっぽいけれど・・・」と、素敵なスカートを眺めながら思っていたのでした。ホメオパシーベイビーなのか、愉気っ子なのか、ひまし油ベイビーなのかわかりませんが、うちの怪獣さんを一度お目にかけたかったのもあって、思い切って声をかけてよかったです。
そして、お話したとおり、こちらのブログで紹介されて上橋さんを知り、私も「止められない止まらない」勢いで彼女の著作をどんどん読み進めたクチです。本当に、児童文学と括ってしまうことのできない、素晴らしい作品ばかりですよね。
そうそう、あの日の収穫はニコさん&フクちゃんのお気に召したのでしょうか??