マイケル・ジャクソンの魂
2009年 11月 06日
1回目は、そのステージ演出に圧倒され、そして、マイケルの完璧なまでのダンスと踊りに心躍らせながら見ていましたが、2回目は、見終わったあと、かなり気持ちが落ち込んでしまいました。
私は、この10年間、なんと、マイケルの心を傷つけるような発言ばかりしてきたんだろうかと・・・・。
マイケルの最後の10年間は、整形のこと、肌の色のこと、性犯罪事件のこと、マイケルの金銭感覚や借金のことなどなどで、マイケルは世界中のマスコミからバッシングの対象になってしまっていました。雑誌の表紙には、マイケルの整形しすぎて歪んだ鼻や無精髭の顔が飾り、とてもかつてのポップスターの面影はありませんでした。そして、私自身、マイケルについて話題にするときには、スキャンダルにことしか話していませんでした。
でも、この映画で見るマイケルは、まるで掌の上で震えている小鳥のような魂の持ち主に思えます。まるで、自分の気持ちを表明したら、そばにいる誰かを傷つけてしまうのではないかと怖れているかのような、マイケルの姿が見えます。
その繊細な魂の持ち主に対し、私たちは、なんてひどいバッシングや誹謗中傷を繰り返してしまったのでしょう。。。
マイケルの映画を見ていたら、私はエルヴィス・プレスリーの晩年の姿と重なってきました。
エルヴィス・プレスリーの晩年も、彼の激太りや晩年の言動で「薬漬けで精神がおかしくなった元ロックスター」といったイメージが先行しました。
でも、エルヴィスの生涯についてをドキュメンタリーしたDVDを見ると(私のおすすめは「エルヴィス・プレスリー: ゴスペル・ミュージック」) 、敬虔なクリスチャンとして、常に良き人であろうとした姿と、イエス・キリストを心から慕い、手本にしてきた姿が浮かび上がってきます。
ロックよりも本当はゴスペルを歌いたがったエルビス・・・・。
彼は、あまりにも人を容易に信じすぎたために、多くの取り巻きに利用され、裏切られてしまったようです。
絶版になってしまいましたが「エルヴィスアフターライフ」という本には、エルヴィス亡きあと、人生の苦境のなかでエルヴィスの魂が現れ、助けられた、という人たちの証言が載っています。別にエルヴィスのファンだったわけではない人たちの前にも彼の魂は現れて、スーパーマンのように人々の心を救って去っていきました。
マイケルの映画も、エルヴィスのDVDも、意図して編集されたものなので、これもまた、彼らのある一面しか映し出していないとは思いますが、もしかしたら、マイケルもエルヴィスと同じように、苦境にいる人々を助ける天使になっているのかもと思ったりしています。