働く幸せ~仕事でいちばん大切なこと~
2009年 08月 10日
文字で「7割が知的障害者」と書いてしまうと、すんなり読み飛ばしてしまいますが、想像すると、これがどれほど大変なことか。
そもそも、この雇用は、養護学校の先生から頼まれ、嫌々ながら労働体験という名目で短い期間に来てもらった2人の知的障害者さんの働く姿勢、真摯な姿をみて、廻りの社員さんが心打たれ、自分たちがカバーするからこの子たちを雇ってほしい、という社員さんの願いからスタートしました。
それが1人増え、2人ふえ、いまでは7割が知的障害者です。
簡単なことではありません。知的障害者さんは、さまざまな問題を抱えています。
本の中でも、養護学校を卒業して働き始めた社員さんは、新しい環境に慣れるまで、例えば奇声をあげたり、できたてのチョークを投げて暴れたり、あるいはすぐに会社を休んだり、健常者だけを雇っている時には起こらない様々な問題がよくことが書かれています。
それを社員さんも社長さんも、ちゃんと毎日通えるようになるまで、責任を持って仕事ができるようになるまで、自分で自分の感情をコントロールできるようになるまで、ひたすら、待つのです。
それも何日という短さではなく、時に、何ヶ月、時に何年もかかって、社員さんが変わっていく様子を温かく見守りながら、社員としてちゃんと受け入れている。
無断欠勤を繰り返していた社員さんが出社されたときも、自分が休むとラインがどう困るか、出来上がった商品がどんどん溜まっていく様子を見させて「君がいないと、会社はこんなに困るんだよ」って実感として理解してもらう。そうすることで、その社員さんは、熱があっても「自分がいないと会社が困る」と頑張って出社しようとするまでに変わっていく・・・。
自分が社会のなかで役にたつ人間であること、自分が感謝される立場にあること。健常者も障害者もお互いが支え合う立場にいること。そういうことを肌で実感できるような会社にされているんですね。
もちろん知的障害者の方が、理解できるような職場環境に変えたり、仕事のシステムを変えたり、あらゆる努力をされています。
社長の大山さんはこう書かれています。
「私たちは、なぜ働くのか?」 その答えがここにあります。
「導師は人間の究極の幸せは、
人に愛されること、
人にほめられること、
人の役にたつこと、
人から必要とされること、
に4つと言われました。
働くことによって愛以外の3つの幸せは得られるのだ。
私はその愛までも得られると思う。」(大山泰弘)
働く幸せというタイトルどおり、働けることの幸せについて、働く喜びについて、もう1回考えさせてくれる1冊でした。
突然のコメント失礼いたします。
私も『日本でいちばん大切にしたい会社』で日本理化学工業を知り、『働く幸せ』も拝読させていただきました。
ときに忘れてしまいがちな「働けることの幸せ」を思い出させてくれて、考えさせてくれるとてもいい本でした。
さて、私どもは社会保険労務士という立場から、このような幸せを実感できるような企業作りのお手伝いをさせていただいております。
そんな中、同じく社員が幸せに満ち溢れている沖縄教育出版の川畑保夫社長をお招きし、来年の2月3日にセミナーを開催することとなりましたのでそのご案内です。
詳細は弊社ホームページよりご覧いただけますので、
もし興味がございましたらぜひともご参加ください。
それでは、突然のぶしつけなコメント失礼いたしました。