アメリカンアイドル
2007年 06月 23日
私はテレビが無いので、ネットで時々見る程度なんですが、いわゆる歌手を目指す素人さんたちの公開オーディション番組。
ところが、出てくる人たちのレベルが、素人とは思えないほど高い。
日本のプロの歌手より高い。日本のアイドル、たとえばジャニーズ系の子たちのレベルとは
比べものにならない。またショーとしても規模が違う。
You tube でamerican idolと検索すると、たくさん出てきますが、たとえば、ファイナル近くのこの番組。
最後に残ったのは25歳の男性と、17歳の女の子なんですが、この二人の歌唱力!
しかも、毎週1人ずつ脱落していくんだけど、落っこちた人たちも、甲乙つけがたい。
もちろん、オーディションには、様々な人が来るようです。
私はテレビではなく、ネットでちょっと見ただけなので、もっと強烈な人がいたかもしれませんが、たとえば、本人は、自分は歌がうまいから1番になるハズと自信満々で来て、すぐさま地獄に落とされた女の子や、50歳なのに26歳と年齢詐称した女性(たとえ、26歳でも18歳でも、全くアイドル向きではないですが)などもいて、オーディションのレベルでは、日本とアメリカはあまり変わらないんですが。
こういう番組を見るにつけ、日本の下手なアイドル歌手の歌を聴いて育つ私たちは、なんと不幸なんだろうと思ってしまいます。
美しいものへのセンスを育てるには、いいものを子供の頃からふれる必要があるのに、子供たちが聞くと歌ときたら、下手な歌ばかり。それくらいのレベルで有名な歌手になれるなら自分でも大丈夫と思ってしまうくらい。あれでは、美意識や美へのセンスが育たない。
制作者の全エネルギーが込められ、作品としても完成度の高い、素晴らしいアート、素晴らしい音楽、素晴らしい建築、そんなものがあふれている日本にするために、まず、下手な歌手の歌だけは、テレビやラジオ流さないでほしいと思ってしまう私です。
日本のアイドルの歌い方が、こんな歌い方になったのは、おそらくアグネス・チャンからではないかと思うのですが、彼女の拙い日本語で歌う歌が、男性にとっては、かわいらしく思えたのではないでしょうか?美空ひばりは、もっと小さい頃からお腹から声を出して歌っています。(といっても、私は30代なので、その頃の事は懐メロ番組でしか知らないのですが)
それ以来、つたない歌い方の日本人アイドル歌手も出てきて、今に至っていると思います。日本は他の国に比べ、かわいらしさを好むようで、歌唱力よりもアイドルをキャラクターのように愛好しているのでしょう。最近は子供向けのアニメの主題歌もアイドルを売り出す道具にされてしまっているようで悲しいです。もちろん、良いものもないわけではないのですが…。