人生を導く5つの目的
2017年 06月 12日
一言でいうとこの本は『キリスト教徒としての正しい生き方指南本』。
キリスト教系の本に時折みられる「クリスチャンかそうでない人か、同じ教会に属している人かそうでない人か」といった排除的な印象を受ける箇所があり、また、聖書の引用が、あれ?そうだっけ?我田引水すぎない? と思ってしまうところもあったのですが、それは置いておいても、ケイシーの説く『神を自分の人生の中心に置く生き方』のガイドブックとしての良書になりそうです。
私は、神社巡り好き。でもお盆の時期は仏教徒になり、個人的に馴染みがあるのはイエス・キリストという典型的なケイシー好きの日本人(笑)なので、この本の著者が想定している読者やクリスチャンとは遙かに離れていますが、私と同じ感じであれば、それなりに聖書にも馴染みがあるでしょうから、きっと途中は飛ばしながらも「ケイシーの説く霊的成長の副読本」として活用していただけるのではないでしょうか。
人生はあなたが中心ではありません。(中略)
自分がなぜ存在しているのか知りたければ、まず神から始めなければなりません。
あなたは神の目的に従って、神の目的のために生まれたのです。「人生の目的」というテーマは、何千年もわたって人々の悩みの種となってきました。その理由は多くの場合、私たちが間違った出発点、すなわち「私」から出発してしまうことによっています。私は何になりたいのか、私は何をなすべきか、私の目標は、私の願いは、私の夢は等々、質問の中心にはいつも「私」が居座っているのです。(中略)
しかし、自分に焦点をあわせていても、人生の目的は決して見えてきません。(中略)
あなたが今、こうして存在しているのは、神がそう願われたからなのです。あなたは神によって神のために造られました。このことが理解できるまで、人生は決して意味を持ちません。神にあってのみ、私たちは自分の起源、アイデンティティー、存在意義、目的、重要性、行き先を見いだすことができるのです。(中略)
私はこれまでに、人生の目的を発見する方法を説いた本を何冊も読んできました。「自己啓発書」に分類されるこれらの本はみな、「私」中心の視点で書かれています。自己啓発書というのは、それがクリスチャンによって書かれたものであっても、どれも似たステップを紹介しているのが常です。たとえば、夢を掘り下げる、価値観を明確にする、目標を設定する、得意分野を見つける、大きな目標を持つ、とにかくやってみる、自己鍛錬をする、実現できると信じる、人の協力を仰ぐ、決してあきらめない、などです。(中略)
本書は、自己啓発を勧める本ではありません。(中略) どうしたら現在の過密スケジュールにもっと多くの活動を組み込めるのかを教えようというのでもありません。むしろ、どうしたら活動を減らすことができるかをお伝えしたいと思っています。それは最も重要な事柄に焦点を合わせることによって可能となるのです。神に意図しておられる自分になること、それが本書のテーマです。(中略)
神は、あなたの人生の出発点というだけでなく、あなたの人生の根源です。人生の目的を知るためには、この世の知恵ではなく、神のことばに耳を傾けなければなりません。大衆心理学や成功哲学や寓話ではなく、永遠の真理を人生の土台に据えなければならないのです。(第1章 すべては神から始まる)