たのしめ!
2017年 02月 18日
ほぼ日刊イトイ新聞の昨日のエッセイ。あとできっと読み返したくなると思ったので、自分のブログに貼り付けてしまいます。糸井さん、無断借用ごめんなさい。
・人のことばで、とても助けられるということがある。
いかにも見事な名言もいいのだけれど、
もっと、すっとこころに届くようなことばがありがたい。
ぼくは、いま矢沢永吉のことばに助けられている最中だ。
なかなかのハードワークを目の前にして、
周囲の人だとか、経験者だとかが、
それがどれほどつらいことなのかを教えてくれて、
「がんばってください」とリハビリ担当者のように言う。
そうか、そんなに恐ろしいことなのかと、ぼくも思う。
どうしてもむつかしいようなら、
多少の予定を変更してもいいのではないか、
というような提案さえもあった。
こどものころの、「きもだめし」のようではある。
だんだんそうやって言われているうちに、
これまでもよく、じぶんに言い聞かせてきた
おまじないのようなことばを思い出したわけだ。
「たのしめ!」である。
これは、矢沢永吉がじぶん自身に言うことばだそうだ。
うねって波打つような大観衆を前にして、
たったひとりでステージに出て行くときには、
矢沢でも特別な緊張感に襲われるのだという。
そのとき、「いいぞ、矢沢、たのしめ!」と、
もうひとりのじぶんから声をかけるのだという。
そんなおまじないのようなことばが効くのかと言えば、
まちがいない、「たしかに効く」のである。
緊張や恐怖から逃げようとすると、ますます怖くなる。
それよりは、緊張も恐怖も「よく来たな」と迎え入れる。
それが「たのしめ!」なのだと思う。
たった4文字で、これほどありがたい呪文はないよ。
いまの時期、受験生なんかもそうだろうけれど、
逃げ出したくなるような状況を前にしている人は、
たくさんいると思う。
そういう人たち、「たのしめ!」だよ。
それで結果もうまく行くのかと問われれば、
「それはわからない」としか答えられないのだけれど、
つらくて逃げ出そうとしているじぶんよりも、
「たのしむ」じぶんに会えるほうが、いいと思わない?
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
あと、「こっちから先に好きになる」ってのも、いいねー。