夏のドリンクは水か麦茶で十分
2015年 06月 06日
朝食をしっかり摂ることについては別の視点もあるのですが、それはお一人お一人で考えていただくこととして、「へぇ~、タンパク質が熱中症に関係しているのぁ」と、私には新情報が書かれていたので・・・。
こちらをそのままをコピペしてます(書かれているのは、名古屋デンタル衛生士学院で非常勤講師をされている久野先生です)。
テンプル主催のセミナー会場でさえ、ときどきテーブルの上に「おいおい!」と突っ込みたくなるようなソフトドリンクを乗せている人がいらっしゃるんですよね。健康に気をつけているハズの方でさえそうなんですから、一般の方はなおさら危うい。
【熱中症対策に必要なのはスポーツドリンクではなく、日頃からのタンパク質の摂取です!】
6月に入り、夏に向けての衣替えも済み、これから日中の気温もドンドン上がってきますね。暑い夏が近づくにつれて大問題となるのが熱中症対策のスポーツドリンク(清涼飲料水)です。
昔からのポカリスエットやアクエリアス、最近のものだとグリーンダカラとか、全て異性化糖(果糖ブドウ糖液糖など)、果糖、ブドウ糖などがたっぷり入っていますし…そんなもの運動後や熱中症対策として毎日のように飲んでいたらアタマも身体もおかしくなってしまいますよね…もちろん歯も歯周組織も口腔粘膜もおかしくなりますからね!
下記に各スポーツドリンク系や○○ウォーター系の炭水化物(ほとんどすべてが糖質)の量をまとめてみました。
炭水化物の多い順から(100g当たり)
・ カルピスウォーター(カルピス) 11.1g(500ml中に55.5g)
・ ソルティライチ(KIRIN) 8.4g(500ml中に42.0g)
・ ポカリスエット(大塚製薬) 6.2g(500ml中に31.0g)
※ ビタミンウォーター(サントリー) 5.2g(500ml中に26.0g)
※ レモンウォーター(武田食品工業) 5.2g(500ml中に26.0g)
※ アクエリアス(日本コカコーラ) 4.7g(500ml中に23.5g)
・ トロピカーナ ココナッツウォーター(KIRIN) 4.5g(500ml中に22.5g)
・ グリーン ダカラ(サントリー) 4.4g(500ml中に22.0g)
※ アミノバリュー(大塚製薬) 3.6g(500ml中に18.0g)
※ スーパーH2O(アサヒ) 2.9g(500ml中に14.5g)
※ アミノバイタル ボディリフレッシュ(味の素) 2.9g(500ml中に14.5g)
※ ポカリスエット イオンウォーター(大塚製薬) 2.8g(500ml中に14.0g)
※ アミノサプリ(KIRIN) 2.0g(500ml中に10.0g)
ポカリスエット500ml1本中には(炭水化物31.0g)、小さめの角砂糖で約9個も入っている計算になります。カルピスウォーターにいたっては、500ml1本中に(炭水化物55.5g)角砂糖がなんと約16個も入っていることになります。
上記でも炭水化物が少なめのドリンクには、糖質の代わりにもれなく人工甘味料(スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムK、L−フェニルアラニン化合物)などが入ってきます。糖質がさほど少なくないドリンクでもスクラロースが入っているものもありますので要注意です(上記のドリンクの中で ※ がついているものは人工甘味料入りです)!糖質をカットするともれなく人工甘味料がついてくる…不健康の悪循環ですね…
また、運動後は交感神経が緊張し、それにより分泌されたアドレナリンやコルチゾールの働きにより(肝臓でのタンパク質の糖化を促進)、血糖値が上昇する傾向にあります。そこにスポーツドリンクの大量の糖質が加わると、さらに血糖値を急激に上げてしまうことになります。すると血液中の浸透圧が高くなり、電解質のバランスが崩れ、最終的に細胞内の水分は外へ流出してしまいます。これにより水分を摂っているのにも関わらず、細胞内が脱水症状となってしまう危険性があります。
結論から言うと、熱中症対策には糖質入りのスポーツドリンクなんて全く必要ありません!!
それではスポーツドリンクを飲まないとすると、どのような飲み物で水分補給(熱中症対策)をしたら良いのでしょうか?
基本的には、「ミネラルウォーター」又は「むぎ茶」で十分です!普通の水であったとしてもこまめに飲んで、その後の食事で発汗などで失った少量の塩分を補いましょう。
また最近では「ウォーターローディング」というスポーツの世界で注目されている水分補給法もあります。これは試合(運動)前の一定期間、毎日1~1.5ℓの水を少しずつ摂取することで、体を常に水で満たしておくという方法です。すると試合(運動)中、発汗により水分を失っても、運動能力の低下や熱中症などを防ぐことができるという訳です。
よくスポーツドリンクを飲むくらいなら…
「水飲んで岩塩でも舐めておいてください!」
「水飲んで梅干しでも食べててください!」
とか言われることも多いですが、野外で激しい運動をして、玉のような汗を大量にしかも長時間かくようなことがない限り、発汗によって塩分が喪失することはありません。
私たち日本人は、塩分に関しては必要量をはるかに上回る量を普段の食事で摂取しているため(世界的に見ても塩分摂取多い国です)、日常生活でジワジワと汗をかく程度の場合には、さらに意識して塩分を補給する必要はないのです。
そもそも熱中症というものは、気温や湿度の高い環境下での水分&ミネラル不足という問題以前に、睡眠不足や朝食などを抜いている場合など、発症リスクが上がります。始業前には栄養を考えた朝食をしっかり摂り、就業後は夜更かしをせず睡眠時間を十分にとるなど、規則正しい生活を送ることが大切です。
その中で最も重要なのが日々の食事の中での「タンパク質の摂取」です。
体内においてアミノ酸からタンパク質が合成されると(ペプチド結合すると)、1つの水分子がつくられます。十分なタンパク質の摂取によって、アミノ酸が足りていて、それを材料としてタンパク質が再び合成されることで、細胞内に水分子を蓄えることができるようになり、脱水を防ぐことができるのです。
また、日頃からタンパク質を摂取していると、体内にてアルブミンが作られるようになります。アルブミンには水分を保持する働きがあるため、血液中にアルブミンが増えると(血清アルブミン)、水分が引き込まれ循環血液量が増えるのです。血液は、汗の材料でもあるため、循環血液量が増えると、汗をかきやすくなったり、皮膚血流の増加による熱放散をしやすくなったりして、体温が上がりにくい体になるのです。
血液中のアルブミンの量が減少すれば、血管外に水がたまって「むくみ」や「腹水」、「筋肉障害」などを起こします。さらに、アルブミン量が少ない状態が続くと「心筋梗塞や脳梗塞」など、血管の病気も起こりやすくなり、さらには免疫力の低下も起こるようになります。
(前述したように)逆に血液中のアルブミンの量が十分であると、水分が引き込まれ循環血液量が増えることで熱中症対策につながるのです。
アルブミン値を上げる食品には
・肉類や卵
・チーズやヨーグルトなどの乳製品
・豆腐や納豆など大豆タンパク
・魚類
などのタンパク質(主に動物性タンパク質)が上げられます。もちろん、代謝や補酵素として重要なビタミンやミネラルも同様に摂取することも大切です。
夏本番になる前から、しっかりと食生活の改善を行って日頃からタンパク質をしっかり摂るようにしましょう。そして熱中症に負けない強い身体作りを心がけていきましょう。
ご注意:
別の基礎疾患などがあり、タンパク質の摂取に制限がある場合、またはタンパク質の摂取の仕方に偏りがある場合には、かえって健康を害する恐れもあります。またタンパク質不足が解消されていない状態で(またはタンパク質の摂取が十分な場合でも)熱中症などを発症してしまった(またはその疑いがある)場合には、速やかに水分等の補給をして、適切な処置を行い、医療機関を受診するようにしてくださいm(_ _)m
参考資料:
エビアンHP「スポーツ界で注目の水分補給 ウォーターローディング法」
ためしてガッテン「血液からツヨくなる!熱中症で死ぬもんかSP」
タンパク質のことは上記を参考にしていただくとして・・・、
カロリーOFFや「0」をうたって、さも健康によさそうな、太らないことを前面に出した宣伝をしているソフトドリンク。カロリーだけを気にしてそれらを飲んでいると、反対にあきらかに身体にダメージを与える人工甘味料を摂取してしまいます。人工甘味料の危険性については、山のようにネットに出ているので、そちらを検索していただくとして、以前やった筋肉反射テストでも、しっかりカロリーOFFドリンクは身体が「NO!」と反応しているのが確かめられました(こちら参照 こちらも同じく)。
私が個人的にショックだったのは、カルピスウオーターの砂糖の量。
500mlサイズを飲むと、角砂糖にして16ヶ(別のサイトでは18ヶ分)入っているではありませんか。こちらのサイトにいろんな砂糖の量が視覚的に分かるように紹介されていますが、はちみつレモンにいたっては500mlボトルで角砂糖19ヶ分の砂糖が入っている。マックシェイクにいたっては、30.5個分!
ちなみに、最近ミネラルウオーターと並んで売られている「いろはす」のフルーツフレーバーのお水。ミネラルウオーターだと思って飲んでいたら、とんでもない量の砂糖が入っているので、こちらも要注意。
これらは子どもが飲むことが多いので、そんな量の砂糖を小さな子どもが一気に飲んでしまったらどうなるか、想像するだけで恐ろしい・・・。羊羹食べているほうがよっぽど身体にはやさしい・・・。
ということで、今年の夏は、水を飲むか、ペットボトルではなく自宅で麦茶を煮出して(あるいはポットの水に入れてパックを浸水させて)用意しておけば熱中症予防には十分。
子どもたち、特に、ハイパーテンション、気が散りやすい、気分に上下がある、集中できない、勉強が少し遅れ気味、その他もろもろ心配要因がある子どもの場合には、砂糖や人工甘味料の摂取量(*小麦のアレルギーも考えられますが・・・)を要チェック。気軽にコンビニでソフトドリンクを購入しないよう気をつけて。
くれぐれも、メーカーの宣伝文句の餌食にはなりませぬように・・・。
*お詫び
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