映画「うまれる」の虎ちゃん
2010年 12月 14日
こんなお話です。
ダリルとキャシーという若くて健康な夫婦のもとに、タラという女の子が生まれた。ダリル夫妻は子どもを授かる前から心身のケアを行っていた。食事にも気を配り、スポーツもし、マッサージも定期的に受け、瞑想も欠かさなかった。最高に健康な赤ちゃんが授かるハズだった。
ところが生まれてきた女の子、タラには、珍しい染色体の異常と心臓の欠陥があった。同じ病気の子どもは過去3例しかおらず、1年以上生きた子どももいなかった。
タラの母親であるキャシーは罪悪感でいっぱいになった。でも心を鎮めるとタラのメッセージがはっきり聞こえてきた。・・・(これは私の選択なの。私は学ぶために知恵を得るために、障害のある人生を選んだのよ)
一方、父親のダリルは、タラが生まれた直後にこんな夢を見た。
・・・夢のなかで、やせこけた小さな虎の子が1本の足にギブスをつけて、自分を飼ってほしいと乞いながら、いろんな夫婦のもとを転々としていた。宿無し虎がダリルとキャシーのもとに来たとき彼らはこう虎に言った。
「僕たちが世話をしてあげよう。仕方なくそうするんじゃないよ、僕たちは君が欲しいんだ」
夢から覚めてダリルが病院の戻ると、タラの腰に問題があることがわかり、小児科医がタラにギブスをはめていた。夢にみた虎はタラだということが分かった・・・・。
夫妻は愛情を込めてタラを育て、そして、タラは2才半で亡くなった。
これがだいたいのストーリーで、不思議なエピソードがたくさん紹介されている「内なるドクター」の中でも、このタラちゃんと虎の夢のお話は、私のお気に入りの1つになっています。
豪田トモさんが監督をされた映画「うまれる」。
この映画のWEBには出演している何組かのご夫妻の写真が貼り付けてあります。
皆さん素敵な笑顔のご夫妻ばかりですが、私自身が「突き抜けた笑顔のご夫婦だな~」と特に強い印象を受けたご夫妻の写真がありました。
監督の豪田トモさんからのメルマガを受信していたので、映画情報もこれまで何度も目にしていたのに、その松本ご夫妻の赤ちゃんが、染色体の病気(18トリソミーという、18番目の染色体が1本多い障がいで、ほとんどの赤ちゃんは1才をまたずに亡くなってしまう)を持って生まれた「虎ちゃん」だということを、実は、今日知りました。
なんで、これまで気がつかなかったんだろう?と、我ながら不思議ですが、何故か今日になって「え?名前は虎ちゃんなの?」。 いきなりパチン!と、この「内なるドクター」のタラちゃんと虎ちゃんが私の中で重なりました。
そして、なぜ個人的に、このご夫妻の写真に、より強く惹きつけられていたのか、その理由も今日になって、ようやく分かりました。
「うまれる」・・・・これは見に行かねばなりませぬ。虎ちゃんに会いに行かねばなりませぬ。
調べたら、いま川崎で上映中のようです。今度の休みの日には「虎の子」虎ちゃんに会ってきますね~。