毎日がエドガー・ケイシー日和 ケイシーグッズ専門店テンプルビューティフル店長が世界を飛び回りながら、今を健康的に生きるヒントをお伝えします。

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収容所(ラーゲリ)から来た遺書
以前、光田家には、父指定の課題図書がありました。
家族はもとより、おそらく叔父、叔母の元にも郵便で届き、さらには、光田家に用事でいらしたお客様で、父と気が合ってしまった場合には「持って帰って読むように」と半ば強制的に父から手渡されてしまう・・・。

我が家だけで、いったいこの本を何冊購入したのか想像もつかないですが(しかも当時は文庫ではなかったし・・・)、それほどまで父が親しくなった人に読ませたかった本が、この「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」。

その本が原作となった舞台「ダモイ」の再演を今日見てきました。

第二次世界大戦後、シベリア(旧ソ連)に抑留となり、収容所で亡くなられた山本幡男(はたお)さんと、モノを書き残すことが禁じられていたため、その山本さんの遺書を一言一句すべて覚えて帰国し、家族に伝えた捕虜仲間たちの実話。

どんなに辛いときでもユーモアと希望を忘れず、最後まで生きて日本に帰ることを夢見られた山本さんの姿は、ナチス強制収容所での体験を書かれたヴィクトール・フランクルにも重なりました。


父は、小学校卒業直前に満蒙開拓少年義勇軍として旧満州にわたり、そのままソ連抑留の捕虜に。そしてシベリア各地の収容所で、数年間、強制労働をさせられたのちに帰国した過去がありますから、私としては今日の舞台は、単なる舞台としてではなく、父の記憶をたどるものにもなりました。

・・・父は終戦直前、ソ連が侵攻してきた中国東北部で、そのソ連の戦車相手の「特攻隊」のようなこともしたそうです。飛行機を使った特攻隊や人間魚雷は有名ですが、父たちは、地面に掘った穴の中に大砲を抱えて潜り、ソ連の戦車が通りすぎるのを、ひたすら待っていたとか(戦車は底が弱いので、自分の上を戦車が通り過ぎたら、大砲を抱えて戦車の底にぶち当たる)。戦争の歴史に全然出てこないので、実際のところは全く効果がなかったんだと思いますが・・・・。


原作や脚本の力、俳優さんたちの熱演、主人公、山本幡男さんの人間的な魅力、そしてなにより、山本さんが実在の人物であり、目の前に繰り広げられているお話は、実際に、つい60年前に起こったことなんだ、ということもあって、「ダモイ」の舞台は、心の奥深くにしみいる舞台となっていました。

中盤あたりから、客席からは鼻水をすする音、ハンカチで目頭をおさえる人の姿があちこちに・・。涙、涙、鼻水、涙、涙、そして鼻水・・・という、感動が引き起こすノイズで、少し騒がしい客席でした。
たった3人しか登場せず、装置もシンプルながら、このお話を伝え残したい、という舞台関係者の方々の「熱」のようなものを感じることができました。


残念ながら、このダモイは、東京は今日が最終日。地方公演も無いようです。
しかも、ほぼ毎年のように公演があるのに、公演日数が少ないので、うっかりすると、すぐにタイミングを逃してしまいます。

「戦争」がテーマのストーリーなので、あえて見に行こうとしなければ、わざわざ選ばないような内容ですが、生きるとはどういうことか、 その限られた人生をどう生きるのか? 困難な状況のなかでいかに自分の尊厳を保つか・・・。いろいろ考えさせられる舞台となっています。

来年の夏、この舞台のチラシを見つけたら、オススメの1作。
by hiroshimapop | 2010-07-11 23:36 | セミナー・舞台情報 | Comments(1)
Commented by at 2010-07-12 04:19 x
お父さんは「鼻くそ」をわざと入れられた飲み物を飲まされたそうですよ。
100回以上聞きました。ものすごいトラウマになったのは当然だと思う。
ずーっと、銃を持った兵士に追いかけられる夢に魘されていたし。