ソマチッドとソマチット
2009年 09月 27日
あらためて、今年の6月にお会いできたガストン・ネサン氏は限りなく、謙虚でピュアな魂の持ち主だったんだ、と感動してしまった。
さて、昨日、お店でこの本をお買いあげ下さったお客さまと「ソマチット商品」について話をした。
そのお客さまは、あるところで「ソマチット」の名前のつくサプリメントをご購入された。商品に「ソマチットとは何か?」といった小冊子がついていたので、それを読んだそう。
ところがその方が話す「ソマチット」と、私がネサン氏から学んだ「ソマチッド」と全然違うのだ。化石から取られた「ソマチット」を飲むことで、人のソマチットが活性化する、ということでそのサプリメントは販売されているんだけど、ネサン氏の話にはそういうことは全く出てこない(※ネサン氏が作られた「714-X」のワクチンもソマチッド製剤ではない)。
セバスチャン先生のWEBに、ネサン先生との一問一答が書かれているので、それを抜粋すると、ネサン氏はこう述べている。
1.ソマチッドの健康食品等が日本で売られていますが意味ありますか?
ネサンさん: 全く意味はないです。ソマチッドはカラダの中で造られるし、カラダの中で生まれたソマチッドだけがその人のためになります。
2.ソマチッドを活性化させれば、健康状態が良くなると言われていますが本当ですか?
ネサンさん: ソマチッドは活性化できません。健康状態が悪くなればソマチッドサイクルが始まる。そして、そのサイクルは止められません。
それで、お客さまがお帰りになった後、ネットでソマチッドを検索してみると・・・・
出てくる、出てくる、私がネサン氏から聞いたのとは全く違う「ソマチット」話が・・・・!
まず、天才ネサン氏が21歳のときに作った世界でたった1台しかないソマトスコープ(顕微鏡)は、倍率だけで書くと3万倍の倍率がある。片や光学顕微鏡は2000倍。電子顕微鏡は40万倍の倍率があるけれど、生きたままの細胞は見ることができない。
つまり、3万倍という高い倍率で、生きた細胞そのままの状態を見ることができるのは、世界にただ1つ、ネサン氏の研究室にあるソマトスコープだけなのだ。
自身が作りだしたソマトスコープでネサン氏は赤血球や白血球の横でうごめく不思議な生き物を発見した。その生物をネサン氏は「ソマチッド」と名付け、研究を始める。約60年前のお話。
ソマチッドの観察の中で、ネサン氏はソマチッドが16の形態に変化することを見つける。さらに、ソマチッドの形態と、人の健康状態にはイコールの関係があることも分かってくる。つまり、健康な人の血液中には存在しない形のソマチッドが、例えばガン患者の血液中にはたくさん見つかるのだ。
簡単に説明すると、
1~16あるソマチッドの形態の中で、健康な人のソマチッドは1~3を保っている。ところが人の免疫が衰え健康状態を保てなくなると、ソマチッドは突如、バクテリア状に変化する。つまり4番目のサイクルに変容してしまう。そしていったん4番目のサイクルに変容してしまったなら、16番目の形態にまで進む「ソマチッドサイクル」が始まってしまう。
※さらにソマチッドの変化について興味がある方は稲田さんの本を読んで下さい。
だけども大切なのは、だからといって、自分のソマチッドを健康にするために、他のソマチッドを摂取する必要は無いし、そもそもソマチッドそのものを「活性化する」といったことではない、ということ。
さらに、いつもは1番~3番目を保っているソマチッドが4番目に進んでしまう「から」人間が病気になるのではなく、人の健康状態が悪くなった結果としてソマチッドの形が次々変わっていってしまうのだ。
まぁ、ともかくも、ネット上に見つけた「ソマチット」情報には誤りが多いのにビックリ。というより、ネサン氏の語るソマチッドとは全く別物と考えたほうがいいように思う。
あるサイトではこんなことが書いてあった。
・ソマチットは、癌患者の血液中には全く存在しない。 →存在します。
・ソマチットが元気になれば、免疫力はあがる。 → ネサン氏の元で勉強しなおして下さい。
・ソマチットは、人体内の環境が悪くなると尿に混ざって体外に逃げ出す。もしくは血小板や赤血球内に逃げ込んで殻を作る。 → 同上
・ソマチットの原理によれば、元気になるには水素濃度の高いマイナスイオン水を飲むと良い。→ ソマチットの原理って何?? そうか!わかった! つまりは、マイナスイオン水や水素水を売りたいわけね。
また「ソマチット農法」なるものを見つけたので、事情を知っていそうな人に確認したら、こんなことだった。
→北海道のある土地で、とても豊かな土壌を見つけた。その土で農業をしたら、素晴らしい作物ができた。その素晴らしい土壌には微生物がたくさんいたのできっとソマチットもたくさんあるだろうということで、その土を使った農法を「ソマチット農法」と名付けた。そしてその「ソマチット農法」の土は袋詰めして売られている。
健康食品の世界は、ピュアなハートの持ち主も多いけど、ちょっと足を踏み外すと、人の欲望うごめく魑魅魍魎の世界にもなってしまう。
あるソマチット専門のサイトには、そこには驚くことに、ネサン氏の研究とは全く違ったソマチット論が書かれてあり、さらには「結局はネサン氏もソマチットについてはよく分からないわけだし・・・・」といったようなことまで書かれていた。 ありゃりゃ~。
ネサン氏がソマチッドに対して「よく分からない」と言ったのは50年にもわたる研究のなかで、生命への畏敬の念とか、人間の肉体の働きの中でかいま見る神の存在などに、純粋に研究者としての謙虚な気持ちからそう述べられたのではないかと思う。
それを自分の推論と推測を重ねた我田引水のソマチット理論を書き並べるために、さらには健康食品を売るためにネサン氏の発言を利用するなんて言語道断だ~!と私は思うのだ。
ガストン・ネサン氏があまりにもピュアで美しい心を持っている方だけに、そのネサン氏の長年にわたる研究内容を歪曲し、自分の利益追求に利用しようとしている人たちがいるのは、なんとも残念。
もし、その方々が、じかにネサン氏に会い、ネサン氏のピュアなハートにふれることができたのなら、ご自身のやってきたことに恥じ入り、穴があったら入りたくなってしまうのではないかとも思う。
驚きの記述ばかりがあったので、もうビックリ!ビックリ!の私ではありますが、ネサン氏が3万倍の顕微鏡の中で見つけられた生命活動としてのソマチッドと、いま日本で出回っている「ソマチット」商品とは、全く違うものです。
また714-Xもソマチッド製剤ではありません。
まぁ私も怪しい健康食品は山のように買ったし、山のように飲んでいたので、人はそうやって学ぶのでしょう。
ネサン氏が述べるソマチッドについては、いま私たちが理解している範囲で稲田芳弘さんが最大限分かりやすく書いて下さっています。
この本にはネサン氏が述べる「細胞がガン化する要因」についても書かれていますし、怪しい健康食品を買ってしまわないためにも、興味がある方は、稲田さんの本をぜひ読んで下さい。あるいは、10月18日のセバスチャン先生のお話を聞いて下さいませ。
>ガストン・ネサン氏があまりにもピュアで美しい心を持っている方だけに、そのネサン氏の長年にわたる研究内容を歪曲し、自分の利益追求に利用しようとしている人たちがいるのは、なんとも残念。
まさにそのとおりだと思います。
ガストンネサン氏の絶大なる功績を汚してはならないと心から思います。